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<日本の端っこを歩く>

 

皆さんは本州の四端をご存知だろうか。

 

最北端は青森県下北半島にある大間崎,
最南端は和歌山県串本町にある潮岬,
最西端は山口県下関市にある毘沙ノ鼻,
そして,最東端は岩手県宮古市にあるトドヶ崎である。

 

大間崎を訪れてから3年半,今秋遂に本州四端を踏破した。


 

 

最後に訪れたのが最東端の地,トドヶ崎。
ここは本州四端踏破の旅の最難所であろう。
ふもとの駐車場に車を停めてから(この駐車場に辿り着くまでも難関だ。)
勾配の激しい山道を歩かなければならず,車では決して行くことのできない秘境である。
(北・南・西の三端は,石碑のかなり近くまで車で行くことができる。)

 

自然歩道の入り口には「熊出没注意」の看板が立てられており,
実際に目撃情報もあるらしい。
地元の方に「熊に注意しろ!」と助言を受けたこともあり,
アップダウンの激しい山道を熊と遭遇する恐怖に怯え
ヒーヒーと悲鳴を上げながら歩くこと1時間強・・・
ようやくトドヶ崎灯台に到達した。

 

断崖の上に無人灯台と本州最東端の碑がひっそりと立っており,
他には何もない。誰もいない。
ただ,おおらかに弧を描く水平線が見える風景は,いかにも端っこであり,
「最果て」感が実に漂う絶景であった。


 

 

本州の端っこを歩く旅。
マニアックな旅ではあるが,
旅好きで,車の運転好きで,忍耐強い方。
あとは,ここまで来たら…という執念を持っている方。
達成感は大いにある。
端っこ目指して旅に出てみてはいかがだろうか。

 

さて,四端各地の絶景に魅了されすっかり端っこ好きになってしまった私は,
次なる目的として本土四端踏破の旅を計画中である。

 

(端っこ好き弁護士)

更新日2013.12.16

 


へりくだりたがる人たち

 

  今年の「新語・流行語大賞」に「今でしょ!」「お・も・て・な・し」「じぇじぇじぇ」「倍返し」の4つが選ばれたとのこと。でも、「今でしょ!」以外の3つは1回も見たことがないのですが・・・。
 

  『あまちゃん』も『半沢直樹』も見たいという気にぜんぜんならなかったし、「お・も・て・な・し」もリアルタイムで見ていないのは当然として、その後のニュース等でも目にする機会は皆無でした。もっとも、それって今年に限ったことではなく、例年のことではありますが。
 

  まあ、『あまちゃん』も『半沢直樹』も1回も見なくとも、弁護士業務はもちろん依頼者のみなさんとの世間話にもぜんぜん困ることはないし、事務所で疎外されるわけでもなく、社会生活もそれなりに営めていますから、よろしいのではないでしょうか。

 

 

  それよりも、ここ数年困った「新語・流行語」が目につくので、指摘しておきます。といっても、挙げたい言葉があまりにも多すぎて悩むのですが、一つだけ挙げると、「させていただきます」の乱発です。
 

  たとえば、新幹線の車内放送で、「各駅の停車時刻をご案内させていただきます」。車掌が回ってきて、「切符を拝見させていただきます」。
 

  フレンチレストランでは、「本日のメインは鴨をご用意させていただきました」。
 

  新人弁護士の採用に応募してきた司法修習生の履歴書では、「大学時代は○○部のキャプテンを務めさせていただき、××大会で1位の成績を収めさせていただきました。ロースクール時代はサマークラークで労働事件を中心とする法律事務所で勤務させていただきました」。
 

  これらは全部「させていただきます」が入る必要はありません。「停車時刻をご案内します」「切符を拝見します」「鴨をご用意しました」「キャプテンを務めました」「成績を収めました」「法律事務所で勤務しました」で十分に敬語になっており、「させていただきます」は過剰です。
 

  また、「させていただく」とは自分がへりくだる(卑下する)ことによって自分の行為の相手方に敬意を表す語ですから、行為の相手方ではない者に「させていただきます」を使うのは誤りです。サマークラークを受け入れてくれた法律事務所に対しては「(今日から)こちらで勤務させていただきます」で正しいけれど、他の法律事務所に提出する履歴書で「○○法律事務所で勤務させていただきました」はおかしいでしょう。「成績を収めさせていただきました」に至っては、誰に対しへりくだっているのか意味不明です。

 

 

  内館牧子『カネを積まれても使いたくない日本語』(朝日新書)には、自身のブログで結婚報告をしたスポーツ選手が、「私○○は、かねてより交際しておりました△△さんと結婚させていただくことになりましたのでご報告させていただきます」と書いた例や、ある俳優が二股をかけていたところバレて騒動になったその会見で、「(A嬢と)お別れさせていただきました。(B嬢とも)お別れさせていただきました」と言った例が紹介されており、大いに笑えます。

 

 

  弁護士にも、起案した準備書面の内容について依頼者から了解の電子メールをもらうと、「ではこの内容で裁判所に提出させていただきます」と返信している者がたまにいます。しかし、準備書面を提出する先は裁判所ですから、「提出させていただきます」だと裁判所に対して自分がへりくだっていることになります。弁護士が裁判所にへりくだる理由は何もないし、これでは(もちろん本人にはそのような意図はないはずですが)「私は裁判所に対してへりくだっていますよ」ということを依頼者にアピールしているようなものです。

 

 

  皆さん、なんでそんなにへりくだりたがるのですか?
 

  何にでも「させていただきます」を付けたがる人は、自分が不遜ではなく謙虚な人間であることをアピールしたいのかもしれませんが、「させていただきます」の乱発(つまり過度のへりくだり)は、かえって、言葉を、ひいてはその人自身を軽く見せることになります。ひどい場合には、慇懃無礼を超えて胡散臭い感じさえ与えてしまいます。政治家の答弁でよく出てくる「ただいまのご指摘をしっかり受け止めさせていただき、勉強させていただきます」的な言葉が典型です。

 

 

  というわけで、何にでも「させていただきます」を付ける人間は私はあまり信用しません。前述の司法修習生は、超一流大学卒で司法試験の成績もよかったのですが、私の評価上は、書類審査の段階でしっかり×が二つ付きました。
 

  前掲の内館『カネを積まれても使いたくない日本語』にはそのほかにも多くのおかしな(困った)「新語・流行語」が指弾されており、無内容の自己啓発本を何冊も読むよりも、これ一冊の方がよほどためになります。
 

 

BOBCAT

更新日2013.12.14

 


賃料増減額請求について

 

1.はじめに
 

 

  一旦決まった契約の内容を後日変更するには当事者の合意が必要となるのが原則で,賃貸借契約の賃料についても一般的には同様にいえます。そのためか,賃料の改定に関する特約を設けた賃貸借契約書をよく目にします。
 

  ただし,建物所有目的の土地の賃貸借(借地)や建物の賃貸借(借家)については,借地借家法によって賃料の増・減額請求権が認められており,法定の要件を満たせば,当事者間に合意が成立しなくても最終的には裁判所の手を借りることで,いわば強制的に賃料を増減することが可能です。なお,駐車場の賃貸借契約は上記の借地・借家にあてはまりませんので,原則どおり,賃料を変更するためには,その旨の特約(当事者間の合意の一場面といえます。)があるか,当事者の新たな合意が必要となります。
 

 

 

2.普通借家では賃料を減額しない旨の特約は無効
 

 

  ここで注意して欲しいのは,借地借家法では,賃料を増額しない旨の特約は有効としながら,定期借家契約を除いて,賃料を減額しない旨の特約は無効とされていることです。
 

  定期借家でない建物の賃貸借契約書にも「期間中,賃料の改定は行わない」であるとか「更新時のみ協議で賃料を改定できる」という旨の記載はよく見受けられます。この場合,特約によって更新期以外の賃料増額請求はできなくなりますが,不減額特約は無効であるため,借地借家法に従った賃料減額請求は依然として可能となるのです。
 

  建物の賃貸人が,なるべく賃料減額を求められる機会を少なくしようと考えて上記のような特約を契約書に盛り込んだ場合,賃借人が法律を知らなければ目的を達せられるかもしれませんが,法律的な結論としては,自分の首を絞めているだけといえます。
 

  また,賃借人としては,このような特約の存在によって賃料減額を安易に諦めるのではなく(特約が無効とは思っていない方も世の中には多くいることと思います。),専門家に相談等して知識武装しておけば,賃料減額への道が開かれます。
 

 

 

3.賃料増減額請求の効果
 

 

  賃貸借契約の一方当事者が賃料増・減額請求をすると,概念的には,その意思表示が相手方に到達した時点で,自動的に賃料が相当額へと改定されます。ここで「概念的」と申し上げたのは,実際には,当事者間に協議が整うか,相当な賃料額を定める裁判が確定するまでの間は,相当額がいくらになるのか当事者にも不明なためです。
 

  そこで,借地借家法は,賃料増・減額請求がなされても,相当額を定める裁判が確定するまでの間,請求を受けた相手方は,自らが相当と思う賃料(従来の額とするのが一般的と思われます)を請求し,もしくは,支払い続けることが認められています。そして,相当額を定める裁判が確定した後に,過不足分に1割の利息を付して返還させることで調整を図っています(現在の経済状況で1割の利息が妥当な調整なのかについては意見がありそうですが,法律の規定で,そのように定められています。)。
 

  例えば,賃料月額10万円の物件において,賃借人が賃料減額の意思表示をした場合,仮に相当賃料額を月額8万円とすると,概念的には,この時点で賃料が8万円に減額されますが,賃貸人は,裁判の確定まで従前の10万円を請求し続けることが認められています。
 

  反対に,同じ場面で,賃借人は,月額8万円が相当であるからといって,裁判の確定前にその分しか支払わないということは認められておらず(例外的に,1割利息を恐れて賃貸人も月額8万円しか請求しないという事例であれば別ですが),債務不履行となり,最悪,賃貸借契約を解除されてしまうかもしれませんので注意してください。
 

  増額請求の場合には,これらの関係が逆転します。すなわち,増額分が確定するまで,賃借人は従前の賃料額を支払っていれば債務不履行とならず,賃貸人はそれを超えて請求することができません。
 

 

 

4.おわりに
 

 

  今回は,詳しい説明を試みるより,網羅的に書くことに努めてみました。賃料改定のみでなく,借地・借家については,借地借家法が賃借人を強く保護しているため,賃貸借契約書の記載がそのまま認められない場面も多いです。何か疑問がありましたら,是非一度ご相談ください。

 

(弁護士 58期 長田 誠司)

2013.12.16
 


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