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ナジーム・ハメド

 

 

  「法曹の失敗は、政治家や外科医の失敗と同様に、その負債が彼の上にかからずに、依頼者の上にかかっている。だからして非良心的な法曹は、失敗の意識をもつより先きに、裁判官が悪いとか、陪審制の行われているところなら、陪審員が間違っていたとか弁解し、自己の責任を逃れることができるように努める。しかしこの外見の責任逃れこそ、およそ法曹たるものの口にしてはならないことである」(戒能通孝『法廷技術』(1952年、岩波書店)26頁)。

 

 

 

 

  本日、今年予定されていた最後の判決言渡しがありました。結論は、もちろん当方の全面勝訴。これで今年言渡しのあった7件の判決(同じ事件の一審判決と控訴審判決は、それぞれ1件と数えています)は、すべて全面勝訴でした。めでたし、めでたし。ちなみに、昨年もそうでした。

 

 

 

 

  そのほかに、今年は、口頭弁論終結後、判決言渡し期日の直前になって、相手方(原告)が請求を放棄して終了した事件が1件ありました。
 

  請求の放棄とは、訴えを提起した原告が、自らの請求にまったく理由がないことを認めて、請求をあきらめて訴訟を一方的に終わらせる行為です。

 

 

 

 

  その事件で相手方が請求を放棄した理由は、相手方本人の意向ではなく、判決の結論が全面敗訴となることを覚悟した相手方の代理人弁護士が、(依頼者ではなく)自分が敗訴判決をもらうのがいやなので、敗訴判決を回避するために請求を放棄したというものでした。
 

   確かに、法律上は、判決言渡し期日の直前どころか判決言渡し後であっても判決が確定するまでは請求の放棄ができることにはなっていますが、現実に判決言渡し期日の直前に請求の放棄を(しかも、依頼者の意向ではなく、弁護士の意向で)した例など聞いたことがありません。たとえて言うと、ボクシングで、12ラウンド戦い終わって判定が告げられるのを待っているという段階で、判定を聞く前に自らタオルを投げてリングから降りてしまうようなものです。

 

 

 

 

  同業者としては、まったく理解し難い行為であり、よくもそこまで矜持(節操?)がないものかと、ある意味感心してしまいました。
 

   おまけに、その弁護士のホームページを見ると、好きなもの(者)として、ナジーム・ハメド(※)が挙がっているので、苦笑してしまいます。ナジーム・ハメドは、12ラウンドが終わった後で、判定を聞く前に自らタオルを投げてリングを降りないと思うのですが。
 

   ※ナジーム・ハメド:イエメン系のイギリス人ボクサーで、元WBO、IBF、WBCの各世界フェザー

  級チャンピオン。ただし、いつもKOで勝ってしまい、判定にまで持ち込まれたことはほとんどない。

 

 

 

 

  もっとも、どうやって依頼者本人を説得して了解をもらったのかと思うと、その説得の技術や依頼者からの信頼を獲得する能力については大いに見習うべきところがあるとも言えそうです。

 

 

 

 

  ところで、来年の「新語・流行語大賞」は、「ナッツ・リターン」で決まりだと思うのですが、どうでしょうか?

 

BOBCAT

更新日2014.12.17
 


アイスクリームと法律

 

 

冬本番。
寒くなってくると,アツアツのおでんや,ホカホカの肉まんが恋しくなってきます。
でも,なぜか惹かれるのがアイスクリーム。
こたつでぬくぬくしながら,濃厚なアイスを食べるのは至福のひと時ですよね。

 

 

 

ところで,アイスクリームの賞味期限がどれくらいか,知っていますか?

 

 

 

「アイスクリームの原料になっている牛乳は,買ってからせいぜい1週間,卵も2,3週間で賞味期限が切れてしまうし…。そうすると,アイスクリームの賞味期限も2,3か月ってとこかしら?」

 

 

 

「いやいや,冷凍されてるし,そんなに早く悪くならないでしょう。
でも,さすがに,冷凍庫の奥から去年のアイスが出てきたら食べるの躊躇するよな…とすると,1年はもたないってことだろうな。」

 

 

 

…などなど,色々な意見が聞こえてきそうですが,
実は,「賞味期限がない」が正解です。

 

 

 

アイスクリームは,通常ー18度以下で保存されるので,保存中の変化は極めてわずかであり,人の健康を損なうような危害の発生は考えられないことなどが理由のようです。

 

 

 

そして,実は,アイスクリームに賞味期限がないことは,食品衛生法第19条第1項に基づく乳及び乳製品の成分規格等に関する省令(乳等省令)の第7条第6項で,きちんと定められているんですよ。

 

 

 

乳等省令を詳しく見てみると,アイスクリーム,アイスミルク,ラクトアイス,氷菓の成分規格や,アイスクリームの製造方法の基準などが詳しく規定されていて,なかなか面白いです。これを読めば,アイスクリーム博士になれるかも?

 

 

 

でも,こたつアイスの最中に隣でうんちく語られたら,至福の時間が台無しかもしれませんね…。

 

 

(サンタさん,アイスクリームスプーンください。)

更新日2014.12.17

 


クレームへの対応について

 

1 はじめに
 

 

 

  およそ営利活動をしている事業体であれば,対顧客との関係において,クレームを受けることは避けられません。製造業,小売業であれば,商品の瑕疵に対するクレームが代表的なものですし,サービス業であれば,サービスへのクレームもあるでしょう。
 

 

  クレームの発生が不可避であるとすれば,どのように対応するかを考えておかなければ,本来の営利活動に支障が生じかねません。当職らにとっても,ご相談いただく機会が多いこのクレーム対応ですが,一般的な対応の方法について触れてみたいと思います。
 

 

 

 

2 クレーム対応の基本的な考え方
 

 

 

  クレーム対応において最も基本となる考え方は,クレーム発生当初の段階において,法的に理由のあるクレームか,理由のないクレームかの区別をつけるということです。この区別をつけることにより,その後の対応方針を決めることができます。
 

 

  そのためには事実関係の調査が必要ですが,いわゆる5W1Hなどの必要な事実関係を網羅できるよう,電話聞き取りメモなどを予めフォーマット化しておくことや,対応マニュアルを作成しておくことなど,クレームが発生した場合でも冷静に対応できる態勢を整えておくことが有用です。クレーム発生直後ですので,相手方が激高しているような場合も多々あるとは思いますが,対応する側が冷静に対処し,まずは相手方の言わんとすることをよく聞いて,事実を調査することが何より重要です。
 

 

 

 

3 法的に理由のあるクレームへの対応
 

 

 

  上記の調査の結果,相手方のクレームに法的な理由がある=こちら側に問題があると判断したら,次は,相手方や関係者からのさらなる事情聴取や損害賠償に備えて,損害額の検討を行いましょう。その上で,相手方との交渉を行うという手順を踏むのが一般的でしょう。
 

 

  この場合には,クレームに法的に理由がある以上,こちら側から何をどのように賠償するのかがポイントです。ただし,注意すべき点は,相手方の要求がエスカレートする場合には,任意交渉を打ち切ることも考えておかなければならないということです。立場が強いと判断した場合には,どんな人物であったにせよ,要求がエスカレートすることはよくある現象です。この場合には,裁判での解決を視野に入れることも必要でしょう。仮に裁判となった場合であっても,損害額の算定においてある程度見通しが立っているはずですから,負わなければならないリスクも想定できることからすれば,過大な要求に安易に応ずる必要はなく,裁判自体を避けなくとも良いのです。
 

 

 

 

4 法的に理由のないクレームへの対応
 

 

 

  反対に,法的に理由のないクレームであることが明らかになった場合には,対応方針としては,基本的には,拒否,拒絶するだけです。
 

 

  ただし,この場合には,相手方もクレームに法的な理由がないことをわかっているケースが多く,意外と対応に手間取ることがあります。対策としては,円満解決などを考えた曖昧な対応をしないことが重要です。相手方は,こちら側の不用意な発言などを理由に,当初のクレームとは全く異なる点をクレームの対象とすることがあるので(ある意味,本来の意味でのクレーマーはこれを狙っている),対応においては,細心の注意を払うことが必要です。
 

 

  最終的に折り合いが付かなければ,交渉の終了を宣言し,突き放してしまうことも解決策の一つです。円満な解決に固執しなくとも良いのです。
 

 

 

 

5 異常なクレーマーへの対応
 

 

 

  上記3,4のいずれの場合にも,反社会的勢力を背景としたクレーマーや脅迫,恐喝行為を伴うクレーマーも存在します。
 

 

  基本的な対応策としては,上記3,4のとおりではありますが,このような場合には,早期に弁護士への対応を依頼することが解決の近道です。また,方法論として,実際の交渉においては,電話であれば録音すべきですし,直接対面しなければならない場合には,複数人での対応が鉄則です。録音,録画の方法も併用すると良いでしょう。
 

 

  犯罪に該当するような行為が予想される場合には,警察への対応依頼も視野に入れておくべきです。
 

 

 

 

6 最後に
 

 

 

  上記の記載と矛盾するようではありますが,忘れてはいけないのは,クレームそのものはこちら側の至らない点についての有り難い指摘でもある点です。実際は,不都合があったとしてもクレームも言わずに去って行く顧客がほとんどです。クレームがあることにより,よりよい商品作り,サービスの構築につながる情報を得られることもあります。クレームを活かすという意味で,クレーム対策を本格的に取り組まれてはいかがでしょうか。

 

 

(弁護士 58期 松 村 寧 雄)
更新日2014.12.17 


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