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小野総合法律事務所

お知らせ

 

 

東京都では再び「緊急事態宣言」が発出されました。当事務所では,新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から下記の通りの執務体制となっております。

 

 

1.土日祝日は完全休業とさせていただきます。

 

 

  平日(9時から17時30分)の業務は継続しておりますが,体制を縮小しておりますので,業務の対  応にお時間をいただくこともございます。

 

 

 

2.弁護士は,業務に応じ,テレワークを併用させていただいております。

 

 

  電話によるご連絡については、代表電話でお受けいたします。

 

  各弁護士宛てのEメールは通常どおり使用可能ですので,できる限り、各弁護士宛てにEメールに   てご連絡いただきますようお願いいたします。

 

  また,折り返しのご連絡等,弁護士による対応について,お時間をいただく場合もございますので,   何卒ご了承ください。

 

 

 

3.ファックスの受信及び郵便物の受領は,平日は通常通り行っております。
 

 

 ご不便をおかけいたしますが、ご理解とご協力のほど,宜しくお願い申し上げます。

 

                       

                     弁護士法人 小野総合法律事務所

代表社員 弁護士 庄 司 克 也

更新日2021.7.12

 

 


セリーナの威厳


  「智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい」(夏目漱石「草枕」から)とは,いつの時代にあっても,「私」を殺して「世間」と折り合いをつけながら生きざるを得ない人間の胸中の諦念をいい得た真理である。

 

 

 

 

  先だって,テニスの2021年度全仏オープン開催中、大阪なおみ選手が権力者ら(大会主催者,マスコミ人ら)に抗し,試合後の公式記者会見を拒否する旨宣言したものの,結局,権力者ら四囲の圧力に屈し,大会を棄権するという後味の悪い事件が起きた。

 

 

 

 

  大阪選手の記者会見ボイコット事件は,「私」が「世間」と折り合いをつけて生きることがいかに厄介であるかを改めて考えさせるものであった。大概の人々は,人類が何万年(生物歴でいえば何億年)もの生き残りを賭けた戦いの過程で獲得し,DNAに刻み込ませた「傷つく前に諦める」という生存の知恵の働きにより,殊更に意識することなく世間と折り合い,深刻な葛藤に陥ることはない。しかし,そのように生きられない繊細な人もいるのであり,大阪選手はその一人であることを自ら公にした。

 

 

 

 

  大阪選手の発言は大会関係者らのほか,現役有力選手,レジェントとなった有名人らの発言が飛び交う大騒動に発展した。これらの発言は,ほぼすべてが大阪選手に対する同情や大会運営とマスコミの在り方の問題点に言及した上で,一様にテニス選手としての大阪選手の社会的責任感の欠如を,強弱はあれ指摘し,批判するものであった。ところが,騒動の最中にあって,ただ一人の選手が間髪を入れず,大阪選手の存在そのものを丸ごと認め,その行動を支持する声を上げた。あのセリーナ選手である。彼女は,「人は全部違う。問題の対処の仕方も人それぞれであり,自分が最善と考える方法で対処するしかない。なおみはベストを尽くしている。」との趣旨の声明を発した。「私」内の事情で「世間」との葛藤に苦しんでいる大阪選手を,無条件で,ごちゃごちゃ言わず,断固丸ごと受けとめ,肯定したのである。そうして,大阪選手がより高いレベルの強い選手になることを祈ったのである。セリーナ選手を表面的にしか知らなかった私には,騒動の真っただ中にドカンと打ち込まれたこの声明は,意外であり驚きであったが,彼女の内から湧きあがる人間としての品格というか威厳に接した思いで,深い感銘を受けた。

 

 

 

 

  さて,大阪選手はオリンピック東京大会にエントリーしているとのことであり,私は,彼女が何とか世間と折り合いをつけられたかなと安堵するとともに,メダルなどどうでもよいから,元気一杯にコートで躍動する姿を見せて欲しいと祈っている。その一方で,母の祖国で開催のオリンピック出場を最後にテニスコートから去る,なんてことはないだろうなというかすかな心配は消えない。純粋で繊細な,良心の化身を思わせる彼女にとって,今後とも「私」と「世間」との折り合いは難しいと思われるが,大事なのはかけがえのない「私」であり,「世間」なんてものは大概つまらないもので詰まっているのであるから,冒頭のつぶやきのように,軽妙に受け流し,かつてのセリーナ選手のように誰も寄せ付けないテニスコートの女王になってほしいと願っている。                   

 

 

BH

更新日2021.7.16


交通事故のよもやま話(ドライブレコーダーの効用)


交通事故に関する法律相談を受けることが多いので,交通事故におけるドライブレコーダーの効用を,以下,ご紹介いたします。

 

 

 


1 交通事故で示談をする場合,一般的には,事故当事者間において,「事故態様」に基づいて事故当事者の「過失割合」を求め(実務上,事故類型ごとに基本の割合や修正要素・修正の程度などが定められています。),双方合意した「損害額」から同過失割合を基にした過失相殺を行い,「賠償額」を合意することになります。

 

 

 

 

 

2 交通事故に関する法律相談を受けると,その多くで事故態様が争いとなっています。

 

 

  例えば,事故直前の交差点進入時の信号の色が何色(赤・青・黄)であったか,進路変更時の事故かそれとも進路変更後の事故(追突)か,衝突時に車両が停止していたかそれとも動いていたか,対向車両がセンターラインオーバーであったか否かなどです。

 

 

  事故態様が争いとなっている交通事故は,そのほとんどで事故車両にドライブレコーダーが取り付けられておらず,実況見分調書等の刑事事件記録(物損事故の場合には物件事故報告書など),事故車両の衝突痕・衝突の態度,事故状況のうち双方に争いがない事実(事故現場の状況等),目撃者の供述(もし,目撃者がいて協力してもらえる場合),当事者の説明をもとに事故態様を明らかにした調査報告書,当事者の供述などを基に,事故態様の主張立証を試みることとなります。

 

 

  交通事故の損賠賠償請求事件を受任し,示談交渉を行ったものの,双方の主張が乖離しており,交渉が進展しなければ,訴訟手続によって解決を図ることとなりますが,裁判所は,事故態様を判断するにあたり,刑事事件記録を重視する傾向が比較的多いところ,刑事事件記録は,必ずしも依頼者が認識する事故態様と合致しておらず,乖離している場合があります。

 

 

  特に,物損事故の場合,人身事故と異なり,実況見分調書が作成されず,簡易な物件事故報告書しか作成されないため,物件事故報告書と依頼者の認識が乖離しており,且つ,依頼者が認識する事故態様の方が合理的ではないかと考えられるケースも少なくありません。

 

 

  裁判で物件事故報告書記載の事故態様の不合理性を指摘し,依頼者の主張をベースとした事故態様を前提とした損害賠償請求が認められる場合もありますが,残念ながら,そのような認定とならないケースもあります(本題とは離れますが,交通事故で怪我をした場合,実況見分調書の作成など捜査機関に捜査してもらうため,速やかに警察署に診断書を提出のうえ,人身事故に切り替えてもらった方が良いかと考えます。)。

 

 

  また,人身事故でも比較的軽微な事故の場合,加害者の立会いによる実況見分しか行われないケースがあり,(捜査機関から開示を受けることができる)刑事事件記録上,被害者が認識する事故態様が反映されていない場合もあります。

 

 

 

 

 

3 仮に,事故車両にドライブレコーダーが取り付けてあれば,刑事事件記録の内容に関係なく,依頼者の有利・不利に関わらず,事故態様を客観的に確定することができます。例えば,依頼者は黄信号で交差点を進入したと思っていたものの,ドライブレコーダーで確認したら,実は赤信号で交差点を進入していたなど,ドライブレコーダーから確認できる事故態様と,依頼者の認識が依頼者に不利な形で異なっていたとしても,ドライブレコーダーは,自らの認識が誤っていたことを依頼者が理解(納得)する契機にもなります。

 

 

  このように,ドライブレコーダーを取付けることにより,交通事故の紛争が早期に解決できることを期待できます。もちろん,ドライブレコーダーをつけていても,過失割合の評価や,損害額等で争いがあり,紛争の早期解決が進まないケースもありますが,ドライブレコーダーを取り付けていることが交通事故紛争の早期解決に資することは間違いないかと思います。

 

 

  ドライブレコーダーは,車の前後両方に取り付けることが望ましいものの,費用面などから前後両方に取付けすることが難しい場合でも,少なくとも前部に取り付けた方が良いかと思います。前部に取り付けたドライブレコーダーに事故状況が映っていないということは,後方からの衝突と推認することができ,後ろから衝突されるということは,相手方車両の追突あるいは追突に近い事故と評価し,専ら相手方に過失があると主張立証することができるからです。

 

 

 

 

 

4 ということで,自動車を運転する方や,ロードバイクを運転する方でドライブレコーダーを未だ取付けていない方は,是非,ドライブレコーダーの取付けをご検討いただければと思います。ドライブレコーダーを取り付けていれば,あおり運転の被害を受けた場合に,それを証明する手段にもなります。

 

 

(ドラレコメーカーの回し者ではありません)

更新日2021.7.16


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