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将棋AIについて


最近,至るところでAI(Artificial Intelligence)の進歩が取り上げられているが,将棋好き(ただし基本的には見る専門)の私にとっては, 少し前に現名人のタイトルを保持する佐藤天彦棋士がAIソフト「Ponanza」に二連敗したことがそれを如実に感じさせる出来事であった。
 

 

 

しかも,上記二連敗については,素人の私の目からみても,佐藤天彦名人が一方的に「Ponanza」に潰されており,正直,佐藤天彦名人以外のプロ棋士が挑戦者であったとしても同じ結果になることが容易にみてとれることが衝撃的であった(ちなみに,かつて全タイトルを同時に取得したこともあり,将棋界のスーパースターである羽生善治棋士は「Ponanza」への挑戦をかけたプロ棋士同士のトーナメントで,佐藤天彦名人に敗れており,羽生善治棋士が「Ponanza」に挑戦しても結果は大きく変わらなかった可能性が高く,悲しいところである)。
 

 

 

つい数年前までは,将棋はチェスなどと異なり,取った相手の駒を使用でき,選択肢が幅広いこともあり,将棋のAIがプロ棋士を脅かすのはまだかなり遠い未来であるといわれていたことを考えると,隔世の感がある。
 

 

 

ところで,プロ棋士が「Ponanza」に一方的に負かされた理由については複数あると思われるが,その一つとして,「Ponanza」は単に従前のプロ棋士の棋譜を暗記し,その中から最善手を導くのみならず,「Ponanza」同士の対決等の機械学習により,既存の定跡とは異なる新たな手筋を指すことが挙げられている。そして,最近では,そのような「Ponanza」などのAIが示す手筋に着想を得て,将棋界でかつて流行したものの研究により弱点が顕わになり次第に廃れていった手筋が棋士の研究によって再び見直され,脚光を浴びるといったことも多い。
 

 

 

上記のような点を鑑みると,将棋に限らず,人間の錯覚や勘違いにより,活用可能性がないと思われていたものであっても,AIの分析によって実は有効な活用方法があることが発見され,それが人間の研究によって更なる発展に繋がる部分があるのではないかと思っている。その意味で,人間がAIに勝てない部分はあるにせよ,すべて悲観的になる必要はないのではないかと思っている今日この頃である。


                                  

 (将棋好き)

更新日2017.9.22


未知との遭遇


  以前にも本欄に書いたことがありますが、私は音楽配信サービスのアップルミュージックを利用しています。

 

 

  このサービスには、1週間に1回、利用者の好みに合いそうなアーティストの曲を20曲ほど配信してくれるサービスがあり、私もこのサービスで新たなアーティストを知り、好きになったことが何度かあります。

 

 

  ただ、時々、これまで自分が聴いてきたり、ライブラリやプレイリストに保存したりしているものとかけ離れた、突拍子もないジャンルやアーティストの曲が配信されることもあり、その曲がなぜ自分の好みに合うと判断されたのか、よく分からない場合もあります。

 

 

  最近ですと、「テツ&トモ」の「なんでだろう20連発!!」。
そもそも、これは「曲」とか「音楽」とかのカテゴリーではないんじゃないかなぁと思いつつ、試しに聴いてみたのですが、やっぱり自分が普段聴いている曲との共通性があるような気はしない。「なんでだろう?なんでだろう?」と結構長く続くので、最後まで聴きませんでしたが、「なんでだろうって…、こっちのセリフなんですけど。」としか感じませんでした。

 

 

  逆に、いい意味で衝撃的だったのは、「打首獄門同好会」の「糖質制限ダイエットやってみた」。

 

 

  「打首獄門同好会」は、ネットによると「生活密着型ラウドロック」だそうですが、これまた自分がこれまで聴いてきた音楽の範疇には入ってこない。強いていうなら、エアロスミスをダウンロードしているので、音量的(?)にはこれに近いのかなぁとも感じますが、聴いてみると全然違う。

 

 

  しかし、「糖質制限ダイエットやってみた」を聴いてみて、私は「打首獄門同好会」に俄然興味がわき、ユーチューブでこのバンドのミックスリストを一通り見て、一気に好きになりました。音楽好きな方で、やかましい曲にアレルギーのない方は、是非、チェックしてみてはいかがでしょうか。お勧めです。笑えます(電車内での一人ニヤニヤ笑いに要注意)。

 

 

  というわけで、また一つ、音楽との新たな出会いを果たしたというお話でした。毎度くだらなくてごめんなさい。
 

 

もとジャズ研部員

更新日2017.09.20


契約書作成に当たっての留意点

1 はじめ

 

 

 

  一昔前と異なり,最近は重要な契約に関して契約書が作成されていないことは少なくなりましたが,契約書が作成されている場合であっても,相互の権利義務が契約書上に適切に明記されていなかったり,盛り込まれるべき条項が盛り込まれておらず,あるいは盛り込まれるべきではない条項が盛り込まれ,一方当事者に不当に有利な契約となっていることは少なくありません。

 

  そこで,本稿においては,契約書作成の主たる目的を確認した上で,契約書作成に当たっての留意点について簡単に述べたいと思います。

 

 

 

 

 

2 契約書作成の目的

 

 

 

 (1) 契約書を作成する目的としては,まず紛争の予防が挙げられます。契約書に契約当事者の権利義務をはじめとする契約内容を明記することにより,相互の権利義務等が明確となり,契約内容の不明確性を原因とする将来の紛争が抑制されます。

 

 

 (2) 二つ目として,将来における紛争の解決が挙げられます。契約書を作成したとしても将来の紛争(相手方の請求が法的根拠のないものである場合を含む。)を完全に防止することは困難ですが,契約書に相互の権利義務が明確に規定されている場合は,当該規定を拠り所とした紛争の円滑な解決が期待でき,また裁判になった場合は当該規定が適用されることにより紛争が解決されることになります。その意味で,契約書は将来に対する予測可能性を担保し,またリスクヘッジ機能を有するといえます(ただし,後述する強行規定や一般条項等により契約条項が修正される可能性があるため注意が必要です。)。

 

 

 (3) 三つ目として,自己の利益確保が挙げられます。契約書に自己に有利な一定の内容を盛り込むことによって,あるいは相手方に有利な一定の内容を盛り込まないことによって,自己に有利な契約内容を客観化(書面化)し,自己の利益をより明確な形で確保することができます(ただし,一方に極端に有利な内容は,後述する一般条項等により修正を受ける可能性があります。)。

 

 

 

 

 

3 契約書作成に当たっての留意点

 

 

 

 (1) 上記契約書作成の目的から自明といえますが,契約書の記載は,明確かつ簡潔である必要があります。契約書の記載が不明確である場合,双方が自己に有利な解釈を主張し合う等紛争を誘発し,紛争の解決基準としても機能しないことになります。また契約書の記載が冗長である場合,契約書の条項に解釈の余地が生まれ,上記と同様の事態に陥る可能性があります。

 

 

 (2) 次に,将来顕在化する可能性のあるリスク(契約上の義務が履行されなかった場合やイレギュラーな事態が発生した場合等)を検討し,これに対応した条項を契約書に規定しておく必要があります。契約を締結する時点では,ほとんどの場合当事者間の関係は良好であり,また契約締結時は,契約の本来的権利義務(売買契約でいえば,売主による目的物移転義務と買主による代金支払義務)に最も関心が向けられることから,ともすれば上記条項の整備はおろそかにされがちです。しかし,上記条項の整備が不十分であると,将来上記リスクが顕在化した場合,紛争が長期化し,また裁判になった場合想定外の判決が言い渡される可能性もあることから,上記条項についても十分に注意を払う必要があります。

 

 

 (3) そのほか,契約書を作成するに当たっては,法律の規定にも配慮する必要があります。すなわち,契約自由の原則から,契約内容の決定は,原則として当事者に委ねられていますが,一定の法律の規定は強行規定とされ(借地借家法9条,労働基準法13条等),当事者の合意があっても(契約書で強行規定と異なる内容を定めたとしても)排除できないものとされているため,契約書の作成に当たっては強行規定に反するものでないか確認する必要があります。また,民法1条2項(信義誠実の原則を規定),同3項(権利濫用の禁止を規定),民法90条(公序良俗に反する法律行為を無効とする規定)等のいわゆる一般条項の適用により,契約書の条項が無効とされることもあることから,これらの一般条項の適用可能性にも配慮して契約書を作成する必要があります。さらに,判例によって一定の合意に関して法律に明文の規定のない成立要件等が明示されている場合もあるため(賃貸借契約における通常損耗補修特約の成立要件について判示した最高裁平成17年12月16日判決等),判例にも留意することが必要です。

 

 

 

 

 

4 最後に

 

 

 

  契約は一度締結してしまうと一方当事者の都合によって破棄することはできません(法律に特別の規定がある場合や特約がある場合を除く。)。契約書にある一文を入れたことにより(あるいはある一文を入れなかったことにより),又は法律の規定や判例に対する無配慮から,後に予想もしていなかった大きな紛争となることもあるため,契約書の作成に当たっては上記の点に十分留意し,必要に応じて専門家に意見を求めることがリスク管理の点からも重要です。

 

 

(弁護士 62期 石 川 貴 敏)

更新日2017.09.19

 


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