小野総合法律事務所では、質の高い法的サービスを、いつでも迅速に、またリーズナブルな価格で提供しております

小野総合法律事務所

配偶者居住権・配偶者短期居住権の新設


1 相続法の改正について

 

 

 

  民法(以下「法」といいます。)は、全部で1000以上もの条文からなる極めて重要な法律の一つであり、我々が市民生活を営むにあたっての基本的なルールを定めています。その882条以下では、人が亡くなったときの相続に関するルールが定められており、これらの法の規定と関係法令を総称して「相続法」と呼ぶことがあります(したがって、「相続法」という名称の法律があるわけではありません。)。

 

 

  この相続法については、1980年の改正以後、大幅な改正がされておらず、必ずしも現代社会のニーズを満たさない点がありました。そこで、2018年7月6日に相続法の大幅な改正がされ、現代社会のニーズに即した形でいくつかの新たな権利や制度が規定されることとなり、2019年1月13日以降、段階的に施行されています。

 

 

  本稿では、上記の新たに創設された規定のうち2020年4月1日より施行された「配偶者居住権」「配偶者短期居住権」を紹介いたします。

 

 

 

 

 

 

2 配偶者居住権(法1028条?1036条)

 

 

 

  AとBという名の夫婦がいたとします。AとBとの間には子のCがいましたが、既に社会人で独立しており、AとBは、Aが所有する建物(その敷地もAが所有しており、以下「建物」とはその敷地を含むものとします。)に二人で居住していました。そうしたところ、Aが亡くなり、BとCは、Aの遺産を法定相続分にしたがって2分の1ずつ分割することにしました。Aの遺産は、建物の他に3000万円の預金があり、建物の時価も3000万円です。Bは引き続き現在の建物に居住することを希望していますが、Bが時価3000万円の建物の所有権を相続すると、3000万円の預金は全てCが相続することとなるため、Bは現金を手にすることができなくなってしまい、今後の生活に大いに不安を抱えることになります(もっとも、実際の社会では、Cが私財を投じて親であるBの面倒を見てくれることになるとは思いますが、本稿では、あくまでBとCそれぞれが独立して自身固有の財産のみで生活していくことを前提とします。)。

 

 

  そこで、BとCとの遺産分割協議においては、Bに建物の所有権を相続させる代わりに「配偶者居住権」を与えることとすれば、Bは引き続き建物に居住することができるとともに、Aの預金の一部も取得できることになります。具体的には、配偶者居住権の価格が1500万円と評価されるとしたら、BとCの相続財産は次のようになり、両者共に3000万円ずつ(Aの遺産を2分の1ずつ)取得したことになります。
B:配偶者居住権1500万円+預金1500万円
C:配偶者居住権の負担付の建物の所有権1500万円(建物の時価から配偶者居住権の価格を控除した額)+預金1500万円

 

 

  このように、配偶者居住権は、BC間の遺産分割協議によって取得しうるだけではなく(法1028条1項1号)、Aが遺言によってBに与える(遺贈する)こともできますし(同条同項2号)、一定の場合には、裁判所が審判によってこれをBに与えることもできます(法1029条)。また、配偶者居住権は、原則Bが亡くなるまで存続するものとされ(ただし、遺産分割協議、遺言又は家庭裁判所の審判により別段の定めをすることが可能です。法1030条)、Bは無償で建物を使用及び収益することができますが、Bはこの配偶者居住権を他者に譲渡することはできませんし(法1032条2項)、所有者であるCの承諾を得なければ建物の増改築や第三者への賃貸をすることはできません(同条3項)。なお、Cは、Bに対し、配偶者居住権の設定の登記を備えさせる義務を負い、これにより登記が完了すれば、Bはその配偶者居住権を第三者へ対抗することもできます(法1031条)。

 

 

 

 

 

 

3 配偶者短期居住権(法1037条?1041条)

 

 

 

 

  今回の相続法改正では、配偶者居住権に類似の権利として、「配偶者短期居住権」が併せて規定されました。これを上記のABCの設例の前提事実を多少変更して説明すると次のようになります。

 

 

  Aは生前、自身の所有する建物に、配偶者のB、子のC、そしてCの配偶者及び子ども達(ABの孫達)と同居していました。そうしたところ、Aが亡くなり、BC間の遺産分割の結果、Cが建物の所有権を取得して引き続き家族と居住することとなり、Bは3000万円の預金を取得して老人ホームに入居することになりました。この場合、Bは、建物についての配偶者短期居住権を取得し、「Cが遺産分割により建物の所有権を取得した日」又は「Aが亡くなった日から6か月を経過する日」のいずれか遅い日までは引き続き無償で建物に居住し続けることができます(法1037条1項1号)。また、Aが遺言によって建物をCに相続させることとしていた場合には、CはいつでもAに対して配偶者短期居住権の消滅の申入れをすることできますが(法1037条3項)、この申入れから6か月間はBの配偶者短期居住権は消滅せず、この間、Bは引き続き建物に居住することが可能です(法1037条1項2号)。したがって、いずれの場合であっても、配偶者短期居住権により、Bは少なくともAが亡くなってから6か月間は引き続き建物に居住することができ、その間に老人ホームへ転居する準備ができます。なお、配偶者短期居住権と配偶者居住権は両立せず、Bが相続開始時に配偶者居住権を取得する場合には、配偶者短期居住権は初めから発生せず(法1037条1項ただし書き)また、相続開始後に配偶者居住権を取得した場合には、一旦発生した配偶者短期居住権は消滅するものとされています(法1039条)。

 

 

  このように、配偶者短期居住権は、配偶者居住権と異なり、遺産分割協議や遺言等によって定めずとも、一定の要件を満たせば当然に発生する権利ですが、建物を収益に供することはできませんし、登記をして第三者に対抗することもできません。

 

 

 

(弁護士 61期 小町谷 悠介)

更新日2021.3.15


【コロナ禍での悟り】


コロナ禍が強まってから最も大きく変わった生活様式といえば、外出時に常にマスクを着用するようになった点であろう。
 

 

マスクをするのはもちろん感染予防のためではあるのだが、何よりマスクをしないまま外出することは非常識人間であることを明示しながら歩くこととほぼ同義となっているため、他人と密になる可能性が低いシチュエーションであってもマスクをして外出せざるを得ない。
 

 

 

 

 


街中で大勢の人間が1人残らずマスクをしている様を見ると、日常が変わってしまったことを実感してせつなさを感じる反面、素性のわからないひととの間にも最低限の共通認識があることを感じ、少し安心するような感覚にもなる。
 

 

 

 

 


皆がマスクをするようになってから、街中で見間違えをすることが増えた。亡くなったひとと見間違え、見間違えとわかって改めてそのひとがもういないことを実感することもある。

 

ひとを判別しにくいというマスクの効用(?)を利用して接触を避けたいひとをスルーすることもある。特に裁判所では接触を避けたいひとが不意に現れることがよくあり、マスクの効用を実感することが多い。
 

 

 

 

 


コロナ禍で最も辛いのは気軽に飲みに行けなくなったことである。日常生活における私の最大の楽しみが奪われた悲しみは筆舌に尽くし難いが、反面、必要な会合等が選別されて開催されるようになったことで負担が軽くなっているためイーブンともいえる。

 

東京オリンピック然り、コロナ禍は人間万事塞翁が馬という言葉の意味を実感する契機にもなっている。
 

 

 

(I・T)

更新日2021.2.17
 


教訓


何をやってもうまくいかないので,社会人としての生き方を見直そうと書店に出かけた。

 

あまたビジネス書籍が並んでいる。

 

「1分で話せ」…自己紹介で終わりだな

 

「千円札は拾うな」…我慢できないな

 

「営業は運ではございません」…そりゃそうだろうな

 

「あなたの人生を変える睡眠の法則」…人生まで変えなくていいや

 

「自分を変えるヨガ教室」…健康的だな

 

「怒らない禅の作法」…禅か…ヨガと似てるな

 

「本当に言いたいことが伝わる技術」…これ以上はまずいよ

 

「困ったら数学的に考えよう。」…数字は…苦手だ

 

「7日間で突然頭が良くなる本」…1週間か

 

「1日5分で『できる人』になれる」…こっちの方が早いか?

 

「2分で分かるビジネス名著100冊」…こっちの方が早いぞ

 

「本は10冊同時に読め」…推理小説だとこんがらがるな

 

「あなたが変わる315の言葉」…ずいぶん多いな

 

「人生と仕事を変える小さな習慣250」…まだ多い

 

「あなたを変える101の英知」…半分以下だ

 

「人生勝利の勉強法55」…だいぶ減った

 

「働く君に贈る25の言葉」…もう一声

 

「100%夢を叶えてくれる…たったひとつの原則」…おーっ1つだけか

 

「ぶれない上司になるたった1つの習慣」…さっきのと合わせても2つか

 

「すべては『先送り』でうまくいく。」…なんだよ,そうなのか

 

「今日こそ会社を辞めてやると決める前にやるべき55のこと」

 

…辞めるまでにだいぶ時間がかかりそうだな
 

 

 

 

どうやら,地道にこつこつと努力していくしかなさそうだ。
 

 

 

 

ふと傍らを見ると「3分であなたにピッタリのビジネス書を見つける法」

 

…まずこれから買うか

 

 

(あくまで個人の感想です)

更新日2021.2.16


前の3件 5  6  7  8  9  10  11  12  13  14  15

ページトップへ

小野総合法律事務所