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魔神の約束


  The Day 7.

 

  今日は4月14日で、緊急事態宣言の発効から7日目である。

 

  新型コロナウイルスが地球的規模で問題となって以来、世の中は一変してしまった。あたかも、見えない宇宙人によって人類(決して、地球ではない)全体が侵略を受けているようなものである。新年最初の重大事件が日産自動車のカルロス・ゴーン元会長の国外逃亡事件であったことなど、もはや誰も覚えていないのではないか。

 

 

 

 

 


  新型コロナウイルスの問題が深刻化してから繰り返し頭に浮かんでくるのが、歴史学者の與那覇潤氏が『日本人はなぜ存在するか』(集英社インターナショナル、2013年)で紹介していた次の話である。

 

 

 

 

 


  あなたがこの国の指導者だったとする。ある夜枕元に魔神が現れてこう言ったとする。「お前が毎年1000人の国民の命を差し出すと約束すれば、国を繁栄させ、すべての国民が豊かな暮らしをできるようにしてやろう」。あなたは約束に応じるだろうか(問題を単純化するために、魔神は必ず約束を守るということにする)。

 

  ※小林和之氏『「おろかもの」の正義論』115頁(ちくま新書、2004年)

 

 

 

 

 


  あなたなら、魔神との取引に応じるであろうか。「とんでもない」というのが、大方の良識的な人の反応ではないであろうか。しかし、小林氏及び與那覇氏によれば、実際には、我々はすでにこのような取引をしてしまっているのである。

 

  警察庁の統計によれば、我が国での2019年の交通事故による死者数は3215人であり、かつては毎年1万人以上にも上っていた。法律で自動車の最高速度を時速30キロに制限し、技術的にも、自動車が出せるスピードを30キロに抑えてしまえば、交通事故は大幅に減るはずであるし、事故が起きても被害者は軽傷ですみ、交通事故による死者は激減するであろう。

 

  しかし、誰もそのような法律の制定や対策の実施を求めてはいない。それは、自動車産業界のためばかりではなく、我々国民が、自動車交通によって得られる国の繁栄や豊かな暮らしを手放すのがいやだから(そして、自動車交通がもたらしてくれる国の繁栄や豊かな暮らしのためには毎年数千人の命を差し出すことも構わないと判断しているから)にほかならない。

 

 

 

 

 


  新型コロナウイルスがあっという間に世界中に広まってしまったのは、経済発展と豊かな暮らしを求めていわゆる経済のグローバル化を進めていたからであるし、新型コロナウイルス対策について、各種営業の停止・外出禁止の強い要請と経済への打撃の回避との優先関係が問題となっているのも、まさに魔神の約束の話と同じ性質であろう。 

 

  では、我々はどうするべきか。

 

  残念ながら、私はその答えを持ち合わせていないし、本ページのような軽い場で論じるような事柄でもないであろう(政府与党はやたらと魔神と約束したがっているようだが)。我々がなすべきことは、自分が感染せず、また他人に感染させないように、小さな努力を積み重ねることだけである。

 

 

 

 

 


  奇しくも、緊急事態宣言の終了日(延長されなければ、であるが)の5月6日の2日前の5月4日は、スター・ウォーズの日である。

 

  無事に5月7日を迎えたいものである。皆さんのご健闘を祈る。

 

  May  the 4th  Be  With  You.

 


BOBCAT

更新日2020.4.15


契約に関する基本原則及び契約の成立に関する改正


1 契約に関する基本原則

 

 

 

 

  改正前民法では明文の規定はないものの、基本原則として広く受け入れられているものがあり、その中の一つに契約自由の原則があります。

 

 

  具体的には、1)契約締結の自由、2)相手方選択の自由、3)方式の自由、4)契約内容の自由がありますが、今般の改正で、法令に別段の定めがある場合を除き、契約をするかどうかを自由に決定できること(521条1項)、法令の制限内において、契約の内容を自由に決定できること(521条2項)、契約の成立には、法令に特別の定めがある場合を除き、書面の作成その他の方式を具備することを要しないこと(521条2項)が規定され、2)を除き明文化されました。2)については、国籍・性別・職業等による差別的な契約締結まで許容されるとの誤解が生じることを避けるため明文化されませんでした。

 

 

  従来からあった基本原則が明文化されたものであり、実務への影響は特段ないと思われます。

 

 

  なお、1)の例外としては、借地借家法に基づく法定更新制度や放送法に基づくNHK受信契約などが、4)の例外としては、公序良俗違反(民法90条)や消費者契約法の規定による契約無効などがあります。3)の例外としては、保証契約の締結は書面を要すること(民法446条2項)などがあります。

 

 

  また、1)の原則との関係で、従来から、契約締結に至っていない場合でも、契約締結に向けた交渉が相当程度行われ、相手方が契約締結に至るとの期待を抱いたような場合、正当な理由なく契約締結を拒絶した場合には損害賠償義務を負うという判例理論(契約締結上の過失の理論)がありますが、1)の原則の明文化によっても、当該判例理論には影響はないと思われます。

 

 

 

 

 

2 契約の成立

 

 

 

 

(1)契約の成立

 

 

   契約は、契約の内容を示してその締結を申し入れる意思表示(申込み)に対して、相手方が承諾したときに成立することが明文化されました(522条1項)。これも、従来当然と考えられてきたことが明文化されたもので、実務への影響は特段ありません。

 

 

 

(2)承諾の期間の定めのある申込み

 

 

   改正前民法521条1項では、承諾の期間を定めた申込みは撤回できない旨が規定されていましたが、改正後は、かかる規定を維持しつつ、申込者が撤回する権利を留保したときはこの限りではないとして(523条1項)、撤回する権利の留保が認められました。この規定は、隔地者間の取引及び対話者間の取引いずれにも適用されます。
   なお、申込者が定めた期間内に承諾の通知を受けなかった場合は申込みの意思表示は効力を失う旨の改正前民法521条2項の規定はそのまま維持されています(523条2項)。
   さらに、改正前民法522条は、承諾の通知が延着した場合でも、通常の場合には承諾期間内に到達すべき時に発送したものであることを申込者が知ることができるときには、延着の通知をしなければならず、これを怠ると承諾の通知は承諾期間内に到達したものとみなす旨を定めていましたが、かかる規定は削除されました。

 

 

 

(3)承諾の期間の定めのない申込み

 

 

   承諾の期間を定めない申込みは、承諾の通知を受けるのに相当な期間を経過するまでは撤回することができない旨の規定(改正前民法524条)は維持しつつ、申込者が撤回する権利を留保したときはこの限りではないとして(525条1項)、撤回する権利の留保が認められました。さらに、改正前は対話者間の取引に関する申込みや承諾に関する規定はありませんでしたが、対話者間の取引においては、承諾期間を定めないでした申込みは、対話が継続中はいつでも撤回できること、対話終了後も申込みの効力を失わない旨を表示したときを除き、対話継続中に承諾の通知を受けなかったときは、申込みは効力を失う旨が規定されました(525条2項及び3項)。

 

 

 

(4)申込者の死亡等

 

 

   改正前は、申込みの意思表示は、相手方への到達までに申込者が死亡し又は行為能力の制限を受けた場合、申込者が反対の意思表示をしていた場合又は相手方がそれらの事実を知っていた場合には効力を生じないこととされていました(改正前民法525条)。
   改正後は、死亡や行為能力の制限を受けた場合だけではなく、意思能力を有しない常況にある者となった場合も含めて、申込者がその事実が生じたとすればその申込みは効力を有しない旨の意思を表示していた場合又は相手方が承諾の通知を発するまでにその事実を知ったとき(改正前はいつまでに知ることが必要か不明確でしたが、承諾の通知を発するまでということが明確になりました。)は、効力を有しないこととされました(526条)。

 

 

 

(5)契約の成立時期

 

 

   意思表示の効力は到達した時に効力を生じるのが原則であり、この点は改正前後で変更はありませんが、改正前民法526条は、隔地者間の契約成立に関しては、承諾の通知を発した時に成立するとしていました。しかし、通信手段が発達した現代においては、承諾の通知の発信から到達までの時間を短縮することは可能であり、到達主義の原則の例外を設ける必要性が乏しいことから、かかる規定は削除され、契約成立に関しても、原則通り、承諾の通知が到達した時点で成立することとなりました。

 

 

 

(弁護士 59期 横 田 卓 也)

更新日2020.4.15


春到来


寒い冬の季節が終わり(今年は暖冬でしたが)、だんだんと暖かくなってきました。

 

 

 

桜も開花宣言が出て、いつもなら心が浮き立つ季節。

 

 

 

しかし、今年は、新型コロナウイルスの感染拡大で、春の楽しい感じは皆無で、世の中、色々と自粛ムードです。

 

 

 

いつ収束するのか分からない、終わりが見えないというのが厄介で、なかなか前向きな心持ちになれずにいます。

 

 

 

とはいえ、嘆いていてもどうにもならないので、粛々と目の前の仕事をしつつ、とにかく手洗いを徹底するくらいしかできることはないのですが、感染予防に努めるのみです。

 

 

 

今は、日本よりも欧米の感染拡大が大きなニュースとなっていて、海外に行くというのはリスクが高いと思いますが、近くにお花見に出かけるとか、国内で場所を選んで旅行に行くくらいのことは許されるでしょう。何でも自粛ムード、できるだけ外出してはならないというような空気は息苦しく感じてしまいます。。

 

 

 

適度に発散したり心を解放しながらコロナ対策と付き合っていくしかないのでしょう。

 

 

 

今後の見通しはよく分かりませんが、とにかく一日も早く収束することを願っています。
 

 

 

(手洗い励行)

更新日2020.3.20


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