小野総合法律事務所では、質の高い法的サービスを、いつでも迅速に、またリーズナブルな価格で提供しております

小野総合法律事務所

サイクリスト

 

東京オリンピックが近づいてきました。僕はプロ自転車競技選手の代理人をしており、自分自身も競技用自転車に乗ることもあり、注目はやはり自転車競技のロード種目ということになります。
 

 

 

 

 


東京オリンピックのロード種目のコースは、男女で距離やルートが異なるものの、いずれも府中市の武蔵野の森公園をスタートし、多摩丘陵や、道志みち(413号線)を通過し、山中湖を経て、静岡県小山町の富士スピードウェイにゴールするワンウェイコースです。
 

 

 

 

 


そして、自転車ロード競技の観戦の魅力は、やはり厳しい山岳コースを登る選手を沿道から間近で応援することです。この文章を書いている現在開催中のツール・ド・フランスの山岳ステージなどで、群衆をかき分けるように走る選手の映像をご覧になったことがある方も多いと思います。
 

 

 

 

 


東京オリンピックでも、道志みちの山伏峠や、富士山麓の三国峠等の厳しい山岳があり、さぞや沿道は盛り上がるであろうと思いきや、現状では平坦エリアの一部を除いて、大部分が観戦禁止エリアに指定される方向のようです。なんじゃそれ。
 

 

 

 

 


せっかく全世界が注目する大イベントなのに、とても残念です。理由はいかにも日本的で、コースの安全性の確保ということです。でも、本場のヨーロッパのレースを見れば、そのような理由だけで観戦をほぼ全面排除することがいかに馬鹿げたことであるかが容易に理解できると思います。
 

 

 

 

 


それに、長大なコース全体にわたって、観戦禁止をきちんと管理できるのでしょうか。ほとんど無理ではないかと思うのですよね。もちろん、自転車ロード競技の観戦文化が根付いているとはいえない日本のことですから、マナー違反行為が生ずる危険性は否定できませんが、そのあたりは時間をかけてしっかり啓発活動をして備えるべきじゃないかと思います。
 

 

 

 

 


世界のトップ選手が一堂に会するレースが、盛り上がりに欠けるさびしいものにならないことを祈るばかりです。

 

 

 

サイクリスト弁護士

更新日2019.7.21
 


天網恢恢疎にして漏らさず

 

  最近,芸能事務所に所属している芸能人が,事務所を通さずに個人で仕事の依頼を受け,依頼者から直接出演料を受領したことが「闇営業」などと言われ,ニュースになっています。私はインターネットでしか事実関係を確認していませんが,上記事務所は,所属する芸能人ウン千人との間で契約書を取り交わしていなかったようで,そのことも注目の的となりました。

 

 

 

 

 

 

  もっとも,法律上,契約は一部の例外(保証契約など)を除いて意思表示の合致のみによって成立するのが原則ですので,必ずしも書面を取り交わす必要はありません。芸能人と芸能事務所との間のマネジメント契約も同様です。

 

 

 

  よって,本件で芸能事務所と芸能人との間で契約書が作成されていなかったこと自体は(社会的に非難されるかどうかはさておき),法的に問題があるわけではありません。

 

 

 

 

 

 

 しかし,契約書がないということは,具体的にどのような内容の契約を締結したのかが不明確になるということです。例えば,出演料の配分,芸能人の肖像の取扱い,不祥事を起こした際の損害賠償など,本来であれば当然に定めておくべきことを合意せず,なんとなーく「うちの事務所に入らない?」「入ります!」という,なあなあの流れで芸能人を所属させてしまえば,いつかトラブルが生じることは避けられなかったといえます。

 

 

 

  私はこのニュースを見たとき「え?契約書ないの??それなら個人が出演料全部もらってもOKかもしれないじゃん!」という感想を持ちました。獲得した仕事は全て事務所を通さなければならないとか,そもそも個人で営業を行ってはならないといった合意がされていない可能性があるからです(最終的には事実認定の問題になりますので,断言はできませんが)。

 

 

 

  なお,このような「闇営業」は,我々のような法律事務所でも起こりえます。しかし,さすがに法律事務所の場合は,例えば「個人事件不可」という条件や「個人事件可だが売上の何パーセントを事務所に支払うこと」といった条件が入所の際に明示されており,各弁護士はその条件に従って業務をしています。

 

 

 

 

 

 

  ということで,今回の「闇営業」事件については,芸能人が依頼者から出演料を直接受け取ったという行為自体は,マネジメント契約違反にはならない可能性があります。

 

 

 

  とはいえ,今回の場合は個人で獲得した仕事の依頼者が反社会的勢力であったようですので,その点が非難されるのは当然でしょう。やってはならないことや後ろめたいことは,隠そうとしても必ずばれてしまうということなのでしょうね。

 

 

 

 

(サイドマウンテン)

更新日2019.7.15

 


「相続法も変わります(変わりました)。」


1、昨年の7月6日に「民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律(平成30年法律第72号)」が成立し、民法の相続法が改正されました。

 

 

  改正事項のうち配偶者居住権及び配偶者短期居住権の新設等については、2020年4月1日から施行されますが、大部分は、本年7月1日から施行されます(自筆証書遺言の方式緩和については、既に施行されています)。

 

 

  そこで、改正の要点(配偶者居住権及び配偶者短期居住権の新設等を除く)の概要について、説明することにいたします。

 

 

 

 

 

2、自筆証書遺言の方式緩和

 

 

 

  改正前は、自筆証書遺言についてはその全文を自書する必要がありました。

 

 

  しかし、改正により、自筆証書遺言に相続財産の全部または一部の目録(財産目録)を添付する場合、財産目録については、自書する必要がなくなりました(財産目録の毎葉に、署名・押印することで足りることになりました)。

 

 

 

 

 

3、相続の効力等に関する見直し

 

 

 

  改正前は、判例で、1)法定相続分または指定相続分による不動産の権利の取得については、登記なくして第三者に対抗することができる、2)特定の遺産を特定の相続人に「相続させる」旨の遺言(※)による権利の移転は、法定相続分または指定相続分の相続の場合と本質的に異なるところはなく、当該遺言によって取得した不動産(または共有持分権)を登記なくして第三者に対抗することができるとされていました。

 

 

  しかし、改正により、相続による権利の承継は、遺産の分割によるものかどうかにかかわらず、法定相続分を超える部分については、登記、登録その他の対抗要件を備えなければ第三者に対抗することができないとされました。

 

 

  ※ 改正により、遺産分割方法の指定として特定の財産を一部相続人に承継させる旨の遺言は、

         「特定財産承継遺言」と称されています。

 

 

 

 

 

4、遺言執行者の権限の明確化等

 

 

 

  特定財産承継遺言について、遺言執行者は、当該財産を承継した相続人が登記、登録その他の対抗要件を備えるために必要な行為をすることができることとされました。また、遺言執行者は、預貯金債権について特定財産承継遺言があった場合には、預貯金の払戻しの請求や一定の場合に預貯金に係る契約の解約の申入れをすることもできることとされました。

 

 

 

 

 

5、遺留分制度に関する見直し

 

 

 

  改正前は、遺留分権利者が遺留分減殺請求権を行使した場合、その対象となる遺贈(特定財産承継遺言や相続分の指定を含む)や贈与は、減殺に服する範囲で効力を失い、遺留分権利者は、物権的支配権限を回復する(結果、対象の財産は共有となる)とされていました。

 

 

  しかし、改正により、遺留分権利者は、単に、受遺者や受贈者に対し、遺留分侵害額に相当する金銭の支払いを請求できることとされました。

 

 

 

 

 

6、相続人以外の者の貢献を考慮するための方策

 

 

 

  改正前は、相続人であれば、労務提供、被相続人の療養看護等により被相続人の財産の維持または増加について特別の寄与があった場合、遺産分割における具体的相続分の算定においてそれが考慮されましたが、相続人以外の者は、そのような特別の寄与があったとしても、原則として、何ら利益を得ることができませんでした。

 

 

  しかし、改正により、被相続人の親族であれば、被相続人に対する無償での療養看護その他の労務提供により被相続人の財産の維持または増加について特別の寄与をした場合には、相続人に対し、寄与に応じた額の金銭の支払いを請求することができることとされました。

 

 

 

 

 

7、遺産分割に関する見直し等

 

 

 

  遺産に属する預貯金債権については、判例で、相続開始と同時に当然に相続分に応じて分割されることはなく、遺産分割の対象となるとされていました。そこで、改正で、各共同相続人は、預貯金口座ごとに法令が定める一定額まで、単独で払戻しができることとされ、また、家事事件手続法上の仮分割の仮処分の要件が緩和されました。

 

 

  その他、遺産分割に関する見直しとしては、?配偶者の保護のための居住用不動産の持戻し免除の意思表示の推定規定の創設、?相続開始後に共同相続人により遺産の処分が行われた場合の遺産の範囲に関する規定の創設があります。

 

 

 

(弁護士 57期 吉 田 礼 明)

更新日2019.7.15


前の3件 1  2  3  4  5  6  7  8  9  10  11

ページトップへ

小野総合法律事務所