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区分所有マンションの管理組合と共益費の回収

 

1.管理組合がない?

 

 

 

 

  以前,とある区分所有マンションに関して,管理組合がないため,管理費や修繕積立金等の共益費を徴収しておらず,このままでは建物の修繕が行えないという話を聞いたことがあります。

 

 

  この点,大手不動産業者が売主となる分譲マンションであれば,分譲後,直ちに集会が開かれ,管理組合の結成と規約の制定が行われますので,このような事態は生じませんが,仮に管理組合がなかったとしても,一切修繕ができないということにはなりません。

 

 

  そもそも,建物の区分所有に関する法律(以下「区分所有法」といいます)第3条には「区分所有者は,全員で,建物…の管理を行うための団体を構成」する旨が定められておりますので,区分所有マンションである以上は,当該マンションの区分所有者全員で団体を構成することになります。よって,当該団体を民法上の組合とするかはさておき,法律上,各区分所有者で構成する団体自体は当然に存在しているわけです。

 

 

  そうすると,冒頭の区分所有マンションであっても,これから区分所有法に定められた手続きに則って集会を開き,管理規約を定めて共益費を徴収していけば,修繕を行うことは可能です(ただし,これまで共益費を徴収してこなかった以上,徴収する金額も高額にならざるを得ませんが…)。

 

 

 

 

 

 

2.共益費の値上げ

 

 

 

 

  共益費の金額をいくらにするかという点については,区分所有者にとっての重大な関心事の1つといえるでしょう。

 

 

  区分所有マンションの場合,12から15年ごとに大規模修繕を行う必要があるといわれておりますが,現状の修繕積立金では将来の修繕費用見込額に不足が生じるとなれば,規約を変更して値上げに踏み切らざるを得ません。値上げの方式としては,1)計画期間中に必要とされる修繕費用見込額を年数で割って,毎月一定の金額を納付する「均等積立方式」や,2)一定の年数ごとに自動的に一定額を値上げする「段階増額積立方式」などがあり,集会の特別決議(区分所有者及び議決権の各4分の3以上の賛成が必要。区分所有法第31条第1項)によって決せられますが,建物全体を維持していくためには,目先の負担増にとらわれず,長期的な目線に立って判断することが重要です。

 

 

 

 

 

 

3.滞納があった場合の措置

 

 

 

  一部の区分所有者が共益費を滞納することがあります。そのようなことがあると,マンションを適切に維持・管理していくことができなくなりますので,速やかに債権回収の措置をとる必要があります。

 

 

  これについて,区分所有者は,共益費等の債権について,他の区分所有者の区分所有権及び建物に備え付けた動産に対して先取特権を有しますので(区分所有法第7条第1項),共益費の滞納者がいる場合には,同人が建物内に備え付けた動産から弁済を受け,なお満足を得られないときは,区分所有建物の競売を申立てることができます(民法第335条第1項)。ただし,対象となる区分所有建物が住宅ローンで購入されたもので,金融機関の抵当権が設定されていると,先取特権より抵当権が優先されますので,買受可能価額が住宅ローンの残債務等に満たなければ,競売申立ては取り消されてしまいます(いわゆる「無剰余取消し」。民事執行法第188条,第63条)。

 

 

  しかし,競売が続行できないとなると,滞納額も増大し,ひいては各区分所有者の共同生活に著しい障害を生じさせることにもなりかねません。そこで,管理組合としては,集会の特別決議を経たうえで,訴えをもって競売の請求をすることができます(区分所有法第59条第1項)。同条に基づく競売は,先取特権の実行としての競売と異なり,各区分所有者の共同生活の維持のために,滞納者の区分所有権を剥奪することを目的としているため,配当を受けられる見込みがないときでも,競売手続きは続行されると解されております(東京高裁判決平成16年5月20日判例タイムズ1210号170ページ)。

 

 

  なお,競売で配当が受けられなかったとしても,共益費等の債権は,区分所有者の特定承継人に承継されますので(区分所有法第8条),競落後は競落人に対して滞納費を請求することができます(逆に言えば,競売で落札しようとする者は,滞納額を考慮して入札に参加することになります)。

 

 

 

 

 

 

4.まとめ

 

 

 

 

  多くの人が生活する区分所有マンションでは様々なトラブルがつきものですが,共益費の滞納は管理組合にとって死活問題といえます。滞納者を放置しておくと毎月の滞納額も膨れていってしまいますので,速やかに対応していくことが求められます。

 

 

 

 

(弁護士 63期 横 山 裕 一)

更新日2020.12.17
 


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                                                                            弁護士法人 小野総合法律事務所

代表社員 弁護士 庄 司 克 也

更新日2020.05.26


                              


コロナ禍で思うこと

 

改めて言うまでもありませんし、もうお聞きになるのも嫌だと思いますが、新型コロナウィルスの感染拡大がなかなか終息せず、最近は「第3波」の到来かと言われております。

 

 

 

 


私は、前回、本年1月にこの雑記帳の記事を書いたのですが、そのときは「2020年の楽しみ」というタイトルで、東京オリンピックの開催についてなどにも言及しておりました…。

 

 

その後のコロナ禍の状況については全く想像すらできなかったこととはいえ、当時の能天気な自分が今となってはお恥ずかしい限りです。

 

 

 

 

さて、2020年も終わりが見えてきた中で相変わらずコロナに関する話題で恐縮ですが、最近思ったこと、感じたことを書いてみたいと思います。

 

 

 

 

 

今ではマスクを着用するのが当たり前となり、街中を歩いていても殆どの人がマスクを着用しています。

 

 

コロナの流行当初は、マスク着用の効果に懐疑的な人や、マスクを着用したまま接客するのが失礼にあたると考えていた人もいたようでしたが、今となってはそのようなことも言ってはいられません。

 

 

当事務所の弁護士も、相談時にはマスクを着用した上で対応をし、ご相談者様も皆マスクを着用して下さるのですが、ふと思えば、この半年ほどの間に新規に相談に来られ、早期に問題解決に至り、その後の相談の必要なくなった方については、一定期間のお付き合いがあったにもかかわらず、互いに素顔を知らぬままにお付き合いを終えることになります。

 

 

 

 

 

また、幼稚園や小学校の給食時の会話が禁止され、エレベーターの中や電車の車内などでも会話を控えるようにと当たり前のように言われています。

 

 

そして、多人数での会食やイベントなどの自粛が求められるようになってからは久しく、オンラインでの飲み会や会議はもはや珍しくなくなりました。

 

 

 

 

 

このように、コロナ禍においては、人と人とのコミュニケーションの仕方が大きく変化しました。

 

 

これが「新しい生活様式」と言われてしまえばそれまでですが、人間同士の関係まで変えてしまうコロナの脅威を改めて感じる今日この頃です。

 

 

 

(健康第一)

更新日2020.11.18


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