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賃貸借契約と解約権留保


1 民法上の原則
 

 

 

 

  期間の定めのない賃貸借契約において,当事者は,一定の予告期間をもって,いつでも解約の申入れをすることができます(民法617条)。当事者が賃貸借の期間を定めた場合であっても,中途解約権を留保する旨の合意(解約権留保特約)をした場合は,期間の定めのない場合と同様,中途解約の申入れを行うことが可能です(同618条)。  
 

 

 

 

 

 

2 借地借家法の適用がある賃貸借契約の場合
 

 

 

 

  以上は,民法上の賃貸借契約の場合ですが,借地借家法の適用がある場合はどうでしょうか。借地借家法は,「建物の所有を目的とする」土地の賃貸借契約(地上権設定の場合を含む)及び建物の賃貸借契約に関する民法の特別法にあたる法律です。同法では,主に借地人,借家人の権利保護に重点が置かれた規定が設けられており,そのため,このような借地借家法の適用のある賃貸借契約の場合に民法618条の適用を認めてよいか,特に,賃貸人からの中途解約の申入れを認めてよいかが問題となります。
 

 

 

  以上に関し,借地の場合に,賃貸人による中途解約権の留保を認める条項が借地借家法9条に反し無効であることは,おそらく見解の相違のない(少なくとも,有効であると唱える論者が多数であるとは思われない)ところでないかと思われます。他方で,借家の場合は見解の対立があるようで,これを有効とする裁判例,無効とする裁判例いずれも存在するようです(注1)が,借家の場合であっても中途解約権留保の条項自体は有効とし,ただ,賃貸人による解約権行使の場面では正当事由(借地借家法28条)の具備を要する,とする見解が有力であるように思われます。
 

 

 

 

 

 

3 定期建物賃貸借契約の場合
 

 

 

 

(1)前項は,いわゆる普通借家の場合の議論ですが,定期建物賃貸借契約(定期借家)の場合はどうでしょうか。
 

 

 

(2)まず,定期借家の場合,解約権留保の有無にかかわらず,一定の場合に賃借人の中途解約権を認める規定が存在します。すなわち,居住の用に供する建物(床面積が200?未満の場合に限る)の賃貸借において,転勤,療養,親族の介護その他のやむを得ない事情により,建物の賃借人が当該建物を自己の生活の本拠として使用することが困難となったとき,賃借人は,賃貸借の解約の申入れをすることができ,この場合,賃貸借契約は解約の申入れの日から1か月を経過することによって終了します(借地借家法38条4項)。
 

 

 

(3)では,以上の規定の適用を受けない場合の中途解約の可否,特に,賃貸人による中途解約権を留保する規定の有効性は,定期借家においてどのように理解されるべきでしょうか。
 

 

  この点,手元の文献でも見解が分かれており,一説は,借地借家法38条6項により中途解約権留保特約は無効となると説き(注2),他方では,同法38条1項によって同法30条の適用が排除されていることから,定期借家の場合は同法26条及び28条の規定の適用もなく,したがって,賃貸人に解約権を留保する特約が有効であることはもちろん,この場合,正当事由さえ必要でなく,賃貸人による中途解約の申入れから3か月の経過によって賃貸借契約は終了する(民法618条,617条1項2号)とする見解が存在します(注3)。
 

 

  以上のいずれの見解が正当とみるかは問題ですが,後者の見解はやや冒険的なようにも思われ,また,裁判例(注2)の存在も踏まえると,差し当たり前者の見解を採るのが保守的には正当(仮に条項を設けるとしても,無効とされるおそれがあると認識しておくべき)といえるでしょう(前者の見解を採る場合でも,契約期間が比較的短期に設定される限り賃貸人に具体的な不利益は想定されないといえます。)。
 

                                            
注1)無効とする裁判例として東京地判昭和27年2月13日,有効とするものとして東京地判平成26年3月25日等

 

注2)稻本洋之助外編『コンメンタール借地借家法[第4版]』328頁[藤井俊二](日本評論社,2019年)。同旨の裁判例として東京地判平成25年8月20日

 

注3)田山輝明外編『新基本法コンメンタール借地借家法[第2版]』243頁[吉田修平](日本評論社,2019年)
 

 

 

(弁護士 62期 山 崎 悠 士)

更新日2021.9.16
 


一テイクアウト一

 

  日本で新型コロナウイルス感染症が騒がれ出してからもう1年半を経過しましたが、未だ収束の兆しを見せません。それどころか、状況は、波を繰り返しつつ、深刻化の一途を辿っています。この点、海外の例を見ても、今後どれだけ接種率が上がっても、ワクチンには、接種した人間自身の発症予防や重症化予防の効果は(一定期間)あるとしても、他者に対する感染予防の効果に関しては、さほどあるわけではないとされている以上(そのことは、ワクチンの本来の意味合いからすれば、むしろ当然かと思います)、ワクチンだけで事態を完全に収束させることは、無理であり、これから新たに特効薬、それも経口のものが出てくるまで待つか、何故かいきなり新型コロナウイルスが消えてなくなることを期待するしか、ないのかなと思っています(そのことからすれば、最近、電車やバスの中でマスクを外して結構大声で会話する人達が増えたりしているように見えるのは、非常に危険な兆候と思います。ただ、これは、もちろんその人達自身にも問題はありますが、未だにワクチンを打てば人に移さないかのような誤解を与えかねない広報や報道をしている役所やマスコミにも問題がありますので、早急に是正して貰いたいところです)。

 

 

 

 

 


  そういうことで、昨年4月に最初の緊急事態宣言が出た前後から今に至るまで、外食の回数などは、コロナ以前と比べると、明らかに減りました(とはいっても、ある程度外食することはありますが、その場合であっても、ほぼソロ活動であることに加えて、なるべく時間帯を外して客が少な目の時間帯に行くとか、目に見えて換気十分そうな店を選ぶとか、気を付けるようにはしています)。

 

 

  かといって、毎食毎食、自炊というわけにもいかないので、テイクアウトを利用する回数は、非常に増えています。で、当初は、色々な店のテイクアウトを利用してみたのですが、最近は、大体5軒くらいを(1?2週間に1回ずつくらいの)ローテーションに落ち着いている感じになっています。

 

 

  現在も利用している店は、やはり和食系の店が中心になりますが、その中の1軒に非常に変わった店があり、何かというと、年中、ジビエと野菜、山菜しかメニューにない店です。しかも、ジビエは、猪や鹿や鴨や熊のような普通に食べられているものだけでなく、時期によりますが、アナグマやあらいぐまやヌートリアといったかなりレアなものまでメニューに載っています。そういう意味では、非常に好き嫌いの分かれる類の店だろうとは思いますが、個人的には、こういう何かだけに特化した店というのはかなり好きです(まあ、実際のところは、その「何か」が好きか否かの問題なのでしょうが)。

 

 

  なお、この店は、自宅から徒歩3分くらいのところにあり、コロナの問題が起きる前から四六時中、前の道を通っていたのですが、これまでまったくアンテナに引っ掛かってこなかった店なので、もし私にとってコロナでポジティブに考えられる何かがあるとすれば、唯一この店を見つけたことだけかもしれません(現在もテイクアウトを利用している他4軒に関しては、コロナ以前からよく食べに行っていた店なので、新規開拓したのはこの1軒だけのため)。

 

 

  とはいっても、早くコロナが収束して、こういった余計なことを考えることなく外食に行きたいなあと思う今日この頃ではあります。

 

 

(turtledove)

更新日2021.8.30
                                  


「スピード感」


先日,古館伊知郎氏の「時代遅れへの苦悩と迷い」という記事を読んだ。

 

 

 

 


ご承知のとおり,古館氏は誰もが知る日本のフリーアナウンサーであり,バラエティーから報道まで,数多の活躍をしてきた人物である。

 

 

 


もっとも,同人いわく,最近はテレビでの起用が減ったとのことで,旧知のディレクターからも「古館さんのしゃべりは長すぎる」と言われ,苦悩しているとのことである。同ディレクターいわく,最近は,南海キャンディーズの山ちゃんや,社会学者の古市憲寿氏のように,ワンフレーズの返しで,スピーディーに次に繋げられる司会者の方が,現場で重宝されるとのことである。

 

 

 


賛否両論あるだろう。私などは,例えば「筋肉番付」や「SASUKE」のような実況ものは,やはり古館氏のような饒舌な解説を聞きながら楽しみたいと思う。しかし,雛段のあるトーク番組などを想定すると,長々とツッコミなぞを入れられるよりも,ワンフレーズで次の場面に繋ぐ司会者の方がよいかもしれない。

 

 

 


上記は,司会業に限らず,音楽の場面でも同じような指摘がされていると感じる。例えば,少し前に流行った,米津玄師氏の「Lemon」につき,とある音楽プロデューサーが流行った理由を分析していたのだが,同人いわく,SNS世代にはスピード感が重要で,「Lemon」もイントロなしにキャッチ―な歌いだしが始まり,これがYoutubeなどで曲を聞くSNS世代を掴んだとのことであった。要するに,横着する若者には,「時間をかけず」,「キャッチ―」であることが重要なのである。

 

 

 


米津氏がそういった点を意識しているかはさておき,上記のような指摘は「なるほど」と思う面もある。現代社会は情報があふれているし,皆忙しいのだから,特にメディア・エンタメ市場では,「ワンフレーズ」・「スピーディー」・「時間をかけず」・「キャッチー」といった視点は極めて重要であろう。誤解を与える又は不適切な説明が厳禁である弁護士業界においては,そのまま参考にはできないが,視点としては持つべきといえよう。

 

 

 


さて,上記のようなことをつらつらと考えていると,ひとつ思い当たることがある。先日のオリンピックの閉会式では、某会長による閉会の挨拶がされた。しかし,内容的に,やっぱり時代に逆行しているんじゃあないかと。

 

 

(全国の校長先生も留意すべき)。

更新日2021.8.18


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