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夏に関する雑感

 

  先日ひさしぶりに体調を崩した。医者には一応風邪と診断されたが,炎天下の中を歩いた後体調が悪くなり,異常な発汗もあったので,熱中症に近い状態になってしまったことも体調不良の原因のように思われた。
 

 

 

 

 

  (最近は多少落ち着いているが)今年は暑い。暑い上に湿度の高さが尋常ではない。私は夏の暑さには比較的寛容(?)なのだが,今年の蒸し暑さは限度を超えているように思う。外に出た瞬間「えっこれいいの!?」と思うほど蒸し暑い日が何度もあった。この蒸し暑さが地球温暖化の影響なのかはわからないが,最近の大雨といい,やはり気候が少しずつ変化してきているのかもしれない。
 

 

 

 

 

  最近は熱中症対策が盛んに言われ,水分補給の重要性も認知されているが,私が学生の頃(約20年前)は熱中症に対する理解がまだほとんどなく,部活中に水を飲むことを禁止していたところも多かったように思う。私が学生時代に所属していた剣道部でも練習中に水を飲むことは禁止されており,部活中に「全財産(大した財産は持っていなかったのだが)を投げ打ってもいいから水を飲ませてくれ」と思うことが度々あった。今も昔と同じような状況だった場合,万が一何か起きたら学校の責任問題になりかねないと思うのだが,今は水を飲むことは認められているのだろうか・・・。
 

 

 

 

 

  クールビズの広まりに気候の変化も手伝ってか,最近はビジネスファッションもどんどんカジュアル化してきている。ビジネスバッグとしてリュックサックを使用しているビジネスマンをよく見かけるようになったし,スーツ以外の服装で仕事をしているひとも増えてきた。カジュアル化の波は弁護士業界にも及んでおり,法廷であってもノーネクタイは許容される雰囲気(というか普通)になってきているし,仕事着なのか何なのかよくわからないような格好で裁判に臨んでいる弁護士もたまに見かける(この間は法廷で,くるぶし出しスタイルの弁護士に遭遇した。某アパレルメーカーのCMに影響を受けたのだろうか。)。私が弁護士に成り立ての頃(7年前)は,まだネクタイを締めないといけない雰囲気が残っていたように思うので,隔世の感がある。
 

 

 

 

 

  今後は毎年この暑さに耐えないといけなくなるかもしれないと思うと夏が嫌いになりそうであるが,近い将来地球が氷河期に入る可能性を指摘する科学者もいるようである。暑さと寒さとでは人間は断然暑さの方に強いようなので(個人的な感覚としても,とことん寒いよりはとことん暑い方がまだ我慢できるような気がする。),「氷河期に入るのに比べればマシ」と考え,これからの夏を耐え忍んでいこうと思う。

 

 

(I.T)

更新日2017.8.15
 


観光客はカモ?


  今年も折返し地点を過ぎ,夏休みシーズンです。
  私は一足早く7月に夏休みをとり,旅行をしてきました。
 

 


  3年前にイタリア中南部を訪れて以来の再訪で,計画立案から航空券・ホテル・特急券の手配まで自分でする自由気ままな個人旅行です。
  今年の目的地は,イタリア北部の三都市(ミラノ,フィレンツェ,ヴェネツィア)でした。

 



  イタリアの主要都市にある旧市街は,街並みそのものが歴史や文化を感じさせてくれますし,どの都市に行っても,レオナルド・ダ・ヴィンチ,ミケランジェロ,ラファエロの三大巨匠や,名だたる巨匠の多数の名作を目にすることができ,これがイタリアを再訪しようと思わせてくれる魅力の一つです。
 

 


  また,イタリアの観光地では,ほとんどの人が母国語だけでなく英語を操りますので,片言の英語と簡単なイタリア語,そして少しの度胸さえあれば,困ることはほとんどありません。
 

 


  ただ,悲しいかな,イタリアをはじめとするヨーロッパでは,観光を楽しむと同時に,日本にいるときとは『全く異なるレベル』の警戒心を忘れてはいけません。
  というのも,イタリアなどは,多くの観光客が集まるだけでなく,ジプシー,経済移民,様々な境遇の人々が入り乱れて経済格差も大きく,観光客をターゲットにした犯罪や犯罪まがいの行為を生業にしている人間がとても多いからです。

 



  かくいう私も,かばんは体に固定して前に抱え,現金は分散して持ち,よく取り出す小銭入れには少額の現金だけを入れて革製のつなぎ紐をベルトに繋いでシャツで隠す,と一応の警戒はしていたのですが,1週間の滞在中,何度も悪意ある人たちに狙われるという経験をしました。

 



●集団で注意を逸らして1人が仕留めるスリ集団(遭遇可能性☆☆。最大☆3つ)

 



  よくあるスリの手口といわれるのが,子供を騒がせたり,コインをばら撒いたり,警察官を装った仲間に職務質問をさせたりして,ターゲットの注意を逸らしている間に,実行犯がカバンなどからサイフを抜き取る,というスリです。

 


  私がスリ集団に遭遇したのは,ピサの斜塔から最寄りのピサ中央駅まで向かうバスの車内でした。
  ピサの斜塔から駅までは大分距離があり,観光客は皆バスに乗ります。そのため,そこがスリ集団にとって絶好の狩場になっていたのです。
 

 


  そのような事情まで意識が及ばなかった私は,ほぼ満員のバスに最後に乗り込みました。
  すると,すぐに4?5人の女の集団がバスの乗り口で運転手と口論を始めました。

 



  バスの運転手は,強い口調で「チャオ!」と言い放ち追い払おうとしますが,女たちは一向に立ち去ろうとしません。運転手は無理やりドアを閉めようとしますが,ドアを閉めさせまいと,女たちは腕や体を突っ込んできます。

 



  そんな状況で,その集団とはまったく別のところから走ってきた1人の女がバスに飛び乗ってきて私の近くに立ったのです。バスは満員のため,乗客を装った人間に近くに立たれてもそのこと自体おかしなことだと思わず,運転手たちの口論に意識が言っていた私は,小銭入れへの意識が薄れていました。
 

 


  すると間もなく,私の後ろに立っていた妻が「あなたサイフ盗ったでしょ!」と叫びました。
  ふとポケットに入れていた小銭入れに目をやると,ベルトに繋いでいたつなぎ紐から小銭入れが外され,無くなっていたのです。
 


  その状況をみて,私も妻が叫んだ意味を理解し,横に立っていた女に詰め寄りました。
  女は,盗った小銭入れを持った片手を自分のバッグの下に隠して10秒ほど抵抗しましたが,最後は小銭入れを床に落として「落ちているじゃないか」とアピールし,私がそれを拾った隙を突いて逃げて行きました。

 



  取り戻した小銭入れの中身を確認すると,3枚入っていたはずの5ユーロ札が1枚になっていました・・・。
  抵抗する10秒ほどの間に,片手で小銭入れのファスナーを開け,完全に空にならないよう(お金を盗っていないと弁解する余地を残せるよう)1枚の札だけを残して札を抜いたということなのでしょう。
  もうここまでくると,その技術としたたかさに感心してしまいます。

 


●ミサンガや花の押し売り(遭遇可能性☆☆☆)
 

 


  観光名所や広場によくいるのが,ミサンガや花の押し売りです。
  過去にローマのポポロ広場で自称バングラデシュ人にミサンガの押し売りをされそうになった経験があったので,押し売りにも警戒していました。

 



  しかし,今回は,ミラノの街中を歩き,観光客のような身ぎれいな男だったので,よくいる押し売りには見えなかったのです。

 


  自称セネガル人のその男は,明るく「どこから来たの?」「日本は中田,稲本とか良い選手多かったよな」(選手のチョイスが古い・・・)と話しかけてきたかと思いきや,こちらの隙を見て,「友好の証」だと言いながら,私の手首にミサンガを巻いてきました。
  私が要らないと言っても無理やり。やられました。
 

 


  そして,私の手首にミサンガを巻き終わるや否や,すぐに右手の親指と人差し指を擦りながら,金を要求してきたのです。
  私が「買った覚えはない」「警察に行くか?」と言うと,男は少し怯みましたが,「少額でいいから」と執拗に付きまとってきます。

 



  1人なら走って逃げるところでしたが,周りには人もまばらで,妻が一緒だったということもあり,(せめてもの抵抗で,チップとしては極めて少額の)1ユーロコインを渡して足早に立ち去りました(他の人の経験談によれば,1人あたり数十ユーロ要求された人もいるとか・・・)。
  男は不満そうな顔をしていたので,私が「警察」と言っていなかったら「ふざけるな」と怒っていたかもしれません。恐ろしや。

 



  ちなみに,その直後にも,ミラノのスフォルツェスコ城の前で,ミサンガを手にぶら下げた別の男から話しかけられ,肩に手をかけられたのですが,先ほどやられたばかりの私は,その悔しさと苛立ちから怖いもの無しになっていたのかもしれません。その男の手を強く振り払って立ち去りました。
  その男からは「クレイジー・・・」と呟かれましたが,こういう輩に遠慮は無用です。

 



●細い路地でのスリ(遭遇可能性☆☆)

 



  ターゲットは妻で,妻が自分で気づいたため未遂に終わりましたが,ヴェネツィアでも,スリに遭遇しました(私なんかとは鋭さが違い,妻はスリにすぐ気づきます)。

 


  地図のような紙切れで手元を隠しながらカバンに手をかけ,開けようとする手口です。
  これもよくある手口です。

 



●署名・募金詐欺(遭遇可能性☆)
 

 


  遭遇するまでその存在を知りませんでしたが,レオナルド・ダ・ヴィンチの壁画「最後の晩餐」で有名なミラノの教会の前で,麻薬撲滅の署名を呼びかけている男たちに日本語で話しかけられました。
 

 


  その時点でかなり怪しかったのですが,差し出された署名簿には,日本語で書かれた日本人の名前と金額がズラリ。これは募金詐欺だと思い,その場を立ち去りました。
  日本人ばかり狙っているのでしょうね。後日インターネットで検索すると,署名後に募金を執拗に迫られたという体験談が出てきました。

 



<最後に>
 

 


  スリや押し売りといった行為が多発する背景には,経済格差などの問題があるのかもしれませんが,そうかといって私たちも黙って被害に遭うわけにはいきません。
 

 


  海外旅行(特にヨーロッパ旅行)をする方には,せっかくの旅行に水を差さないためにも,警戒を怠らず,被害に遭ったときの損害を最小限にするための心構えや準備をしておくことをお勧めします。

 


  それでも被害に遭ってしまったときは,『功徳』だと自分に言い聞かせて気持ちを落ち着かせましょう。

 

 

 

(功徳を積む男)

更新日2017.8.15
 


秘密保持契約について


1 秘密保持契約書の条項の意味
 

 

 

 

  一般に秘密保持契約書(秘密保持誓約書)と呼ばれている書面は,よく企業間の取引で使用されている割に,各条項の意味を意識していないことが多いように思われる。

 

 

  当然目的があって秘密保持契約書の各条項は作成されているわけだが,その目的としては,例えば,1)開示した情報を他者に漏らさぬよう相手を縛ること2)不正競争防止法上の「営業秘密」としての保護を受けること3)個人情報保護法や番号利用法上の規制を満たすことなどが挙げられる。

 

 

  以下,どのような発想で各条項が定められているのか,目的に照らして確認したい。
 

 

 

 

 

 

2 「営業秘密」としての保護を受ける
 

 

 

 

  例えば,取引先に対して技術情報等を開示する場合(共同開発の可能性を検討する場合等),これらの情報が意図しない範囲に流通したときには,直接の契約相手方であるか否かに拘わらず,損害賠償請求や当該情報の使用の差止めを求める必要がある場合があろう。当該情報が特許権等で保護されていない場合,このようなケースでは上記の?が目的となる。不正競争防止法上の「営業秘密」として保護を受けられれば,直接の契約相手方以外にも損害賠償請求や情報の使用の差止請求が認められる可能性があるからである。

 

 

  ここで,不正競争防止法上の「営業秘密」として保護を受けるには,当該情報が秘密として管理されていることを,適法に開示を受けた者が認識できる状態であることが必要である。そのため,情報開示の相手方である取引先に,当該情報が秘密として管理されていることを認識させるために,秘密保持契約書を締結するのである。

 

 

  具体的な条項としては,「被開示者は,開示者から秘密である旨を明示して開示された情報を,秘密情報として取り扱い,開示者から事前に承諾なく第三者に開示することはできない。」といったものがよく見受けられる。
 

 

 

 

 

 

3 個人情報保護法等の規制に対応する
 

 

 

 

  例えば,個人情報取扱事業者が,第三者に個人情報の取扱いを含む業務の委託に際して個人情報を開示する場合等は,3)が目的となる。

 

 

  これは,個人情報保護法第22条で求められる委託先の監督の一環として,委託先との間で秘密保持契約を締結することが各種ガイドラインで求められており,これを満たさないと個人情報保護委員会等から行政指導を受ける恐れがあるからである。

 

 

  この場合は適用を受けるガイドラインを確認することとなるが,例えば,金融庁公表の本年5月30日以降に適用されるガイドラインでは,「委託者の監督・監査・報告徴収に関する権限、委託先における個人データの漏えい・盗用・改ざん及び目的外利用の禁止、再委託に関する条件及び漏えい等が発生した場合の委託先の責任を内容とする安全管理措置」を委託契約に盛り込むことが求められている。

 

 

  これに対応するには,例えば,「受託者は,開示情報を委託の目的外に利用してはならない。」「受託者は,事前に開示者の書面による承諾がない限り,再委託をしてはなら無い。」といった条項を定めることとなる。
 

 

 

 

 

 

4 2)でも3)でもない部分

 

 

 

  上記のいずれにも該当しないが,例えば,第三者に不正競争防止法上の「営業秘密」といえるか微妙な情報を開示することとなったが,そこにはノウハウが含まれているため,当該情報の流通範囲や利用方法をコントロールしたいという場合等には,上記の1)を目的とすることとなる。不正競争防止法上の「営業秘密」に認められるような使用の差止等は難しい場合があるが,当事者間で合意すればそれは有効な契約であり,相手方が契約に違反してそれにより損害を被った場合には,その相手方に対し損害賠償請求をすること等は可能だからである。

 

 

  この目的を達成するための具体的な条項は,企業が誰に何のためにどのような情報を開示し,当該情報の流通をどの程度制限する必要があるのか,といった個々の事情によって様々な定めを置くことになる。従って個別の事情に応じて弁護士に作成を依頼することをお勧めするが,一つの参考になるのが,経済産業省が公表している「秘密情報の保護ハンドブック」である。例えば,同ハンドブックが挙げる秘密情報の分類と重要性の分析をした上で,どのような事態を回避したいかを弁護士に伝え,秘密保持契約書の作成を依頼するとより効率的だろう。

 

 

 

(弁護士 64期 吉 岡 早 月)

更新日2017.8.15
 


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