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小野総合法律事務所

たばこの話

 

  近年、日本の喫煙率は20%を切っており、喫煙者が希少種扱いをされる状況において、たばこの話をしても興味がない人の方が多いだろうが、たばこの話。

 

 

 


  私が認識する限りにおいて、現在、当事務所の喫煙率は0%のはずである。そして、私が認識する限りにおいて、当事務所における最後の喫煙者は私であったはずである。

 

  私が入所したころの当事務所においても喫煙率自体は低かったと記憶しているが、所長がかなりの愛煙家であったこともあり、何となく喫煙者に寛容な雰囲気があり、今考えればおそろしいことではあるが、新人時代から諸先輩方の前においても大手を振って煙を揺らしていたものである。しかしながら、「やめるやめる詐欺」とも言われていた(?)所長の禁煙が本当に実現した後は、社会における喫煙率の減少・喫煙者の肩身の狭さ加減にリンクするように、当事務所においても徐々に喫煙者の肩身が狭くなり、とうとう喫煙者は私一人になってしまった。

 

 

 


  2015年、この状況において、私は事務所の朝礼にて、事務所メンバーの前でこう高らかに宣言した。

 

  「弁護士の本懐は少数者の人権の擁護にあり、この原理は弁護士において普遍的に妥当する本質的な理念である。弁護士である以上、マイノリティーの権利を尊重すべきことはもとより、この点を突き詰めていけば、弁護士はマイノリティーそのものであるべきである。そこで私は、当事務所における喫煙者の最後の砦として、マイノリティーであることを貫くべく、絶対に禁煙しないことをここに宣言したい。」

 

 

 

 

  朝からこいつは何を言っているんだろうと事務所メンバーに呆れられたことは言うまでもない。

 

  そして、2015年10月、私は禁煙をすることとなった。舌の根も乾かぬうちにという言葉を絵にかいたような状況だが、それ以降、1本も煙草を吸うことなく現在に至っている。
 

 

 

 

  このようにして禁煙してからかれこれ5年以上が経過したわけであるが、一般的な禁煙の功罪と私自身に起きた現象を振り返ってみると・・・
 

 

 

 

(1) (一般的によく言われるメリット)味覚や嗅覚が鋭敏になり、ごはんがおいしく感じる。

 

→(私の個人的な感想)ごはんは元々おいしいのであまり変わらない。ただし、一時期、たばこの臭いそのものにすごく鋭敏になった時期があり、外を歩いていて遠くの方で歩きたばこをしている人がいることに気付けるくらい、たばこの臭い限定で敏感になったことはあった(メリットでもデメリットでもないが・・・)。

 

 

 

 

 

(2)  (1)の半面、また、口寂しさを紛らわすために食事量が増えるので、太る。

 

→確かに太ったが、元々中年に差し掛かっている年齢で体重増加傾向まっしぐらだったので、禁煙の影響かどうかは微妙。
 

 

 

 

(3)  衣類や部屋のたばこ臭がなくなる。

 

→自分で自分の臭いを正確に認識できていないので、自覚はあまりないが、このメリットはあると思われる。
 

 

 

 

(4)  血行が良くなる結果、肩こりがなくなり肌の調子がよくなる。朝の目覚めが良くなる。

 

→元々肩こりはなく、肌は今も昔も艶々なのが自慢。朝の目覚めは常に悪い。髪の毛が伸びるペースが若干早くなった気がする(散髪代が嵩む)。
 

 

 

 

(5)  カラオケで声がよく出るようになる。

 

→自称美声(?)なので、変化の自覚なし。
 

 

 

 

(6)  たばこ代を貯蓄できる。

 

→たばことは関係なく競馬の負けが酷いので焼け石に水。
 

 

 

 

(7)  時間の節約になる。

 

→確かに、初めて降り立った駅ではまず喫煙所を探すような癖がついていて、そのような時間を含めて時間の節約になっている面はあると思われるが、従来たばこを吸いに行くのは考えに行き詰ったときで、喫煙中は移動時間を含めて考え事をしていたという意味では時間を無駄にしていた認識はなく、自覚としてはそれほど大きな差はない。
 

 

 

 

  という感じであり、一般的に言われているところのメリットについては、ないわけではないがそれほど大きなものを感じていないというのが正直なところである(吸い続けていた場合との比較ができないので、なんとも言えないが)。

 

  実は、これに他に、重大なデメリットが生じており、2016年春に、花粉症を発症してしまい、年々酷くなっている状況である。禁煙との因果関係はもちろん不明ながら、インターネットで検索すると、禁煙後に花粉症を発症した人は少ないものの存在するようであり、私自身はその因果関係を確信しているところである。
 

 

 

 

  実のところ、禁煙により自分自身に生じたメリットが自覚できないばかりか花粉症になってしまったとはいえ、禁煙した後に子供が生まれ、子供を副流煙に晒さずに済んだという最大のメリットがあったので、結論的には、禁煙して本当によかったと思っている今日この頃である。
 

 

 

(元喫煙者)

更新日2021.6.17
 


リモートワーク考

 

可能な業務ではリモートワークを行うよう、都知事がメッセージを出し続けて1年を超えました。

 

 

 

私の耳に聞こえてくる限りでもリモートワークの実施状況は様々で、比較的スムーズに移行したところから、無理やり実施はしているもののひずみが出ている企業、週1または2日の実施が限界という企業、現実的に不可能な業務が多く社内で数名が時々やる程度という企業もあるようです。

 

 

 

弊所もリモートワークが可能な環境が整えられており、各弁護士が対応している案件の状況と自身のスタイルに応じて自己判断でリモートワークを実施しています(自由な職場です。)。

 

 

 

私がリモートワークを実施してみて実感した最大のメリットは通勤時間がなくなることでして、時間に余裕も生まれるし、このご時世特有の変な緊張感に曝されることもありません。

 

 

 

通勤時間を有効活用することができれば大したメリットではないだろう、というお考えもあるかもしれません。

 

 

 

私も過去、通勤時間を有効活用しようとして法律雑誌を持ち歩いてみたり、スマートフォンで新聞を読む癖をつけてみようとしたり、ラジオ英会話を聞いてみたりと色々試してはみたのです。

 

 

 

が、続くのは最初のころだけで、そのうち今日のランチは何にしようと思いながらぼーっと歩き、電車で座れば居眠りをしてしまうようになります(「決意はたいてい続かない」というCMがありましたね。そういえば。)。

 

 

 

生まれた時間で何をするかが重要ではありますが、私はジョギングをしてみたり、自炊をしてみたりと一応は健康的な方向に活用できていると思っています。

 

 

 

逆にデメリットとして感じたことは、FAXや郵送で来た書類は結局誰かにPDF化してもらわないと確認できないことと、雑談風のやり取りができないことです。

 

 

 

前者はそのうち裁判所のシステムが変わっていき、これに伴ってこの法曹界全体のやり方が変わっていくことで、解消されるだろうと思っています。私が生きているうちに「FAX?それなんですか?」という世代が生まれる予感がしています。

 

 

 

後者は工夫のしどころではないかと考えていますが、リモートワークでは同僚に気軽に話しかけることができず、また、他の同僚間の会話も聞こえてきません。そうすると、多分これでよいのだけど念のため確認したい、という場合に誰かに相談することができず、誰かが迷っていることに気づいて助言をするということもできません。

 

 

 

また、純粋な「雑談」もないと(特に新入社員は)同僚の人となりを知ることができず、益々気軽に話しかけることができなくなり、業務に関する簡単な相談もできず、自分から雑談をすることもできず負のスパイラルに陥ってしまうのではないかと想像しています。

 

 

 

他にも「相手方の弁護士が言っていることが全然分からなくて困ってるんだよー」というような愚痴(架空の設定です)だって、人に話せば整理ができて前に進める発想が浮かぶこともあるし、関与していない弁護士の何気ない感想で気づきが生まれることもあるでしょう。

 

 

 

私自身は学生時代チャットや掲示板(懐かしい!)でくだらないやり取りを続けてきたので、チャットツールを使った雑談もしていますが、やはりリアルでの散発的なやり取りとは勝手が違うと感じています。

 

 

 

リモートワークで雑談が減ることや、雑談が減ることによるデメリットは今般のコロナ禍の比較的初期の頃から新聞やテレビで話題に挙がっていたように思いますが、未だに「これだ!」と思えるツールができていないことを考えると、雑談の仕組みは奥深いのかもしれません。恐らく雑談も人間にできてAIにできないことの一つでしょうしね。
 

 

大葉育成中

更新日2021.5.31

 


個人情報保護法の概説

 

1 「個人情報」とは何か

 

 

 

 

(1) 個人情報の保護に関する法律(以下「個人情報保護法」又は「法」)を理解するに当たっては、まず「個人情報」の定義を理解することが出発点となります(以下「個人情報」という場合には、同法が定義する個人情報を指します。)。個人情報の定義は、法2条1項が定めていますが、ここで重要なのは、個人情報に当たるか否かは、当該情報が(生存する)特定の個人を識別できるか否かによって判断され、かつ、特定個人の識別可能性の有無は、当該情報のみによって判断されるわけではなく、容易に照合できる他の情報と照合することで特定の個人を識別できるか否かによっても判断されるという点です。例えば、メールアドレスは、メールアドレスそれ自体で特定の個人を識別できることはほとんどないため、通常個人情報には当たりません(法2条2項の「個人識別符号」にも当たりません。)。しかし、当該メールアドレスそれ自体では特定の個人を識別できない場合であっても、当該メールアドレス情報を保有する者が、容易に照合できる当該メールアドレス「以外」の情報と当該メールアドレスを照合することによって、当該メールアドレスに係る特定の個人を識別できる場合には、当該メールアドレスは、個人情報に当たることになります。

 

 

 

 

(2) 特定の個人情報を電子計算機(コンピュータ)を用いて検索することができるように体系的に構成したもの等は「個人情報データベース等」(法2条4項)とされ、「個人情報データベース等」を事業(非営利事業を含みます。)の用に供している者は、取り扱っている個人情報の数にかかわらず、また法人か個人かにかかわらず、「個人情報取扱事業者」(同条5項)とされます。「個人情報データベース等」を構成する個人情報は、「個人データ」(同条6項)とされます。

 

 

 

 

 

 

2 個人情報保護法が適用される主要場面

 

 

 

 

(1) 個人情報の「取得」

 

 

 ア 個人情報取扱事業者は、偽りその他不正の手段により個人情報を取得することはできません(法17条1項)。「偽りその他の手段」の具体例としては、本来の利用目的を伏せて虚偽の利用目的を告げて個人情報を取得する場合や、秘密録音や隠し撮りによって個人情報を取得する場合等が挙げられます。

 

 イ 個人情報取扱事業者は、個人情報を取得した場合、あらかじめその利用目的を公表している場合を除き、速やかにその利用目的を本人に通知し又は公表する必要があります(法18条1項。例外については同条4項が規定)。なお、個人情報取扱事業者は、本人から直接書面に記載された当該本人の個人情報を取得する場合は、あらかじめ、本人に対して個人情報の利用目的を明示する必要があります(同条2項)。

 

 ウ 個人情報を取得する場合、当該個人情報の取得について本人の同意を得ることまでは求められていません。ただし、要配慮個人情報(人種、信条、社会的身分、病歴、犯罪歴等の法2条3項が掲げる情報)の取得については、一定の例外を除き、あらかじめ本人の同意を得る必要があるため(法17条2項)、注意が必要です。

 

 

 

(2) 個人情報の「利用・管理」

 

 

 ア 個人情報取扱事業者は、一定の例外(法16条3項)を除き、あらかじめ本人の同意を得ずに、法15条1項に基づき特定された利用目的の達成に必要な範囲を超えて、個人情報を取り扱うことが禁止されています(法16条1項)。

 

 イ 個人情報取扱事業者は、その取り扱う個人データの漏洩、滅失又は毀損を防止するため、必要かつ適切な安全管理措置を講じるとともに(法20条)、個人データを従業者及び委託をした者に取り扱わせる場合には、データの安全管理のためにそれらの者に対する必要かつ適切な監督を行う必要があります(法21条、22条)。なお、個人情報保護委員会が作成した「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」8(別添)には、上記安全管理措置等の具体的内容が示されています。

 

 

 

 

(3) 個人情報の「第三者提供」

 

 

  個人データについて第三者提供を行う場合、一定の例外(法23条1項、5項)を除き、あらかじめ本人の同意を得る必要があります(法23条1項)。

 

  ただし、法が定める要件を満たす場合には、あらかじめ本人の同意を得ずに、個人データ(要配慮個人情報を除きます。)の第三者提供を行うこと(オプトアウト方式)が認められています(法23条2項)。

 

 

 

 

 

 

3 まとめ

 

 

 

 

  以上のほかにも個人情報保護法は、個人情報の取扱いについて種々の義務を課していますが、まずは上記で解説した基本的な義務を理解し、個人情報保護に対する意識を高めておくことが重要です。

 

 


(弁護士 62期 石 川 貴 敏)

更新日2021.06.16
 


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