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【コロナ禍での悟り】


コロナ禍が強まってから最も大きく変わった生活様式といえば、外出時に常にマスクを着用するようになった点であろう。
 

 

マスクをするのはもちろん感染予防のためではあるのだが、何よりマスクをしないまま外出することは非常識人間であることを明示しながら歩くこととほぼ同義となっているため、他人と密になる可能性が低いシチュエーションであってもマスクをして外出せざるを得ない。
 

 

 

 

 


街中で大勢の人間が1人残らずマスクをしている様を見ると、日常が変わってしまったことを実感してせつなさを感じる反面、素性のわからないひととの間にも最低限の共通認識があることを感じ、少し安心するような感覚にもなる。
 

 

 

 

 


皆がマスクをするようになってから、街中で見間違えをすることが増えた。亡くなったひとと見間違え、見間違えとわかって改めてそのひとがもういないことを実感することもある。

 

ひとを判別しにくいというマスクの効用(?)を利用して接触を避けたいひとをスルーすることもある。特に裁判所では接触を避けたいひとが不意に現れることがよくあり、マスクの効用を実感することが多い。
 

 

 

 

 


コロナ禍で最も辛いのは気軽に飲みに行けなくなったことである。日常生活における私の最大の楽しみが奪われた悲しみは筆舌に尽くし難いが、反面、必要な会合等が選別されて開催されるようになったことで負担が軽くなっているためイーブンともいえる。

 

東京オリンピック然り、コロナ禍は人間万事塞翁が馬という言葉の意味を実感する契機にもなっている。
 

 

 

(I・T)

更新日2021.2.17
 


教訓


何をやってもうまくいかないので,社会人としての生き方を見直そうと書店に出かけた。

 

あまたビジネス書籍が並んでいる。

 

「1分で話せ」…自己紹介で終わりだな

 

「千円札は拾うな」…我慢できないな

 

「営業は運ではございません」…そりゃそうだろうな

 

「あなたの人生を変える睡眠の法則」…人生まで変えなくていいや

 

「自分を変えるヨガ教室」…健康的だな

 

「怒らない禅の作法」…禅か…ヨガと似てるな

 

「本当に言いたいことが伝わる技術」…これ以上はまずいよ

 

「困ったら数学的に考えよう。」…数字は…苦手だ

 

「7日間で突然頭が良くなる本」…1週間か

 

「1日5分で『できる人』になれる」…こっちの方が早いか?

 

「2分で分かるビジネス名著100冊」…こっちの方が早いぞ

 

「本は10冊同時に読め」…推理小説だとこんがらがるな

 

「あなたが変わる315の言葉」…ずいぶん多いな

 

「人生と仕事を変える小さな習慣250」…まだ多い

 

「あなたを変える101の英知」…半分以下だ

 

「人生勝利の勉強法55」…だいぶ減った

 

「働く君に贈る25の言葉」…もう一声

 

「100%夢を叶えてくれる…たったひとつの原則」…おーっ1つだけか

 

「ぶれない上司になるたった1つの習慣」…さっきのと合わせても2つか

 

「すべては『先送り』でうまくいく。」…なんだよ,そうなのか

 

「今日こそ会社を辞めてやると決める前にやるべき55のこと」

 

…辞めるまでにだいぶ時間がかかりそうだな
 

 

 

 

どうやら,地道にこつこつと努力していくしかなさそうだ。
 

 

 

 

ふと傍らを見ると「3分であなたにピッタリのビジネス書を見つける法」

 

…まずこれから買うか

 

 

(あくまで個人の感想です)

更新日2021.2.16


続・司法修習生採用面接での設例


1.設例

 

 

 

 

  当事務所では、例年、司法修習生の採用面接の際に、設例を提示してこれに対する法的見解を答えてもらっている。昨年の設例は次のようなものであった。ただし、実際の設例よりも大幅に簡略化し内容も一部変更している。

 

 

1) X銀行は、個人Aに対し、住宅建築資金として2000万円を貸し付けた。

 

2) Aが建築した建物の敷地はAの母親Bの所有であり、Aの土地利用権は使用貸借に基づく権利であった。しかし、X銀行は土地について抵当権の設定を受けず、建物についてのみ抵当権の設定契約を締結した。

 

3) その後Bが死亡し、Aが単独で土地を相続した。

 

4) さらにその後にAが死亡した。Aの家族は、妻C、Cとの間の子のD及び不倫相手との間の子のEがいる。

 

5) Aは、建物はCに、土地はDにそれぞれ単独で相続させる旨の遺言をしていた。

 

6) Aの死亡後はまったく返済が行われておらず、X銀行の債権の現在額はAの死亡時点と同額の600万円である。

 

7) Aの債務は、現在、誰が、いくら負っているか。Aが、X銀行に対する債務はすべてCに承継させるとの遺言をしていた場合はどうか。

 

 

 

 

 

2 相続債務の承継について

 

 

 

 

(1) 法律上、被相続人が負っていた金銭債務は、相続によって、法定相続分の割合で分割されて法定相続人に承継されることになっている。本件の場合は、法定相続人であるC、D及びEがAの債務を承継している。ここまでは、修習生も全員が正しく答えた。

 

  では、各相続人の法定相続分はそれぞれどうなるか。まず、配偶者であるCが2分の1である。ここまでは、よい。

 

 

(2) ところが、修習生の中の何人かは、非嫡出子であるEの相続分は嫡出子であるDの2分の1であると答えた。その理由は、民法900条4号本文は「兄弟姉妹が数人あるときは、各自の相続分は、相等しいものとする」とあるが、ただし書きで「ただし、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の2分の1とする」とあり、非嫡出子のEは嫡出子のDとは父母の一方のみが同じだからであるというのである。一瞬もっともらしく思えそうである。

 

 

(3) しかし、これは明らかな間違いである。900条4号でいう「兄弟姉妹」とは、被相続人の兄弟姉妹のことである。4号でいう「兄弟姉妹」とは、第1順位の相続人である子も第2順位の相続人である直系尊属もいない(またはこれらの全員が相続を放棄した)ために、第3順位の相続人となる被相続人の兄弟姉妹のことを意味し、被相続人に複数の子がいて、この複数の子(お互いにとってみれば、兄弟姉妹である)が相続人となる場合を意味しているわけではない。そのことは、900条の全体の構造からして明らかである。つまり、4号のいう「父母の一方のみを同じくする」とは、被相続人と父母の一方のみを同じくするという意味であって、相続人相互間で父母の一方のみを同じくするという意味ではない。

 

 

(4) したがって、正しい相続分は、嫡出子であるDと非嫡出子であるEともに各4分の1である。その結果、Aの債務を、Cが300万円、D及びEが150万円ずつ承継していることになる。

 

  ところが、修習生は、4号ただし書きの「兄弟姉妹」の語に表面的に飛び付いてしまい、DとEは「兄弟姉妹」だが父母の一方(父であるA)のみを同じくするから、同号ただし書きの適用があると早合点してしまったものである。

 

 

 

 

3 基本的条文の正確な理解の重要性

 

 

 

 

  民法900条は相続法における最も基本的な条文の一つであり、ある程度法的素養のある者であれば誰でもその内容は理解しているはずの条文である。出題者としては、メインの論点はもっと別のところ(たとえば、上記1の?の後段の場合はどうなるかや、建物の価値だけでは債権額に満たない場合に土地からどのように回収するか等)に用意したつもりであり、こんなところで修習生がつまずくとはまったく想定外であった。あらためて基本的な条文の正確な理解の重要性を再認識するとともに、自分も思わぬところで恥ずかしい誤解をしていやしないかとヒヤッとした次第である。

 

 

(代表社員 弁護士 近 藤   基)

更新日2021.2.16


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